ウォーターサーバーの水の種類-ミネラルウォーターとRO水
今や多くの人が利用しているウォーターサーバー。
- おいしい水を利用したい!
- 体にいい水を飲みたい!
- 料理に使う水にもこだわりたい!
などなどウォーターサーバーを導入する理由というのは様々だと思いますが、実際にウォーターサーバーで飲むことのできる水にはどんなものがあるのでしょうか?
ウォーターサーバーで使用されている水には、大きく分けて2つの種類があります。
それが「ミネラルウォーター」と「RO水」です。
両者にはどのような違いがあって、どんなふうに選んだら良いのでしょうか?ここでは、ウォーターサーバーの水の種類とその選び方について、徹底解剖したいと思います。
目次
ミネラルウォーターサーバー
ミネラルウォーターとは
ウォーターサーバーやペットボトルでもお馴染みのミネラルウォーター。
そもそも、どんな水なのでしょうか?
ミネラルウォーターとは、一般的に地下水などをくみ上げ、加熱殺菌処理などを行ったものを言います。くみ上げ前に地下を移動あるいは滞留する間に土壌中のミネラルを溶かし込むことが多いことから「ミネラルウォーター」と呼ばれていますが、具体的なミネラルの含有量の定義があるわけではありません。
また、「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」(農林水産省)では、ミネラルウォーター類について以下のような分類を設けています。
ナチュラルウォーター
特定の水源から採水した地下水に、濾過・沈殿・加熱処理のみをほどこしたもの
ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち、土壌中の無機塩類(ミネラル)が多く溶解した地下水を原水としたもの
ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターに、ミネラルの調整や複数の水源から採水した水の混合等を行ったもの
ボトルドウォーター、飲用水
上記(原水が地下水の水)以外のもの
ミネラルウォーターのいろいろ
ミネラルウォーターの中には、上記4つの分類のほかにも様々な種類があります。
ここでは、ウォーターサーバーに使われることも多いミネラルウォーターをいくつかご紹介したいと思います。
天然水
ウォーターサーバーで目にする機会も多い「天然水」という名前。先に述べたガイドラインでは、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターの2種類のみが「天然水」と名乗ることができるとされています。
「天然水」と呼ぶときには、大自然の恵みやその清浄性をアピールしていることが多いですが、具体的にどのような場所で採水され、どのような処理が行われているのか、よくチェックしてみるようにしましょう。
バナジウム水
バナジウムというのは、ミネラルの一種で、人間の体には元々ごくわずかしか存在しないもの。海藻や乳製品などといった食べ物にも含まれていると言われます。
玄武岩中に多く含まれるとされ、日本では富士山麓から採水した水がバナジウム水として販売されることが多いです。
軟水と硬水
ミネラルウォーターを含む水には、軟水と硬水といった区別があります。
これは、硬度(水中のマグネシウムとカルシウムの合計含有量の指標)による違いで、WHOによる分類では以下のようになっています。
- 軟水 0~60mg/L未満
- 中硬水 60以上120mg/L未満
- 硬水 120以上180mg/L未満
- 非常な硬水 180mg/L以上
日本の水は軟水が多く、水道水や国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水。ヨーロッパは石灰質の土壌であるため硬水が多くなります。
軟水はまろやかで飲みやすく、硬水はやや硬いような味わいがするのが特徴。ミネラルの摂取が期待できるのは硬水の方ですが、普段飲み慣れない日本人が多量に飲むとお腹を壊すこともあるので注意しましょう。
ミネラルウォーターのメリットデメリット
では、ミネラルウォーターには具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
- ミネラルの摂取が期待できる(主に硬水)
- 原水や処理方法の違いによって様々な味の違いが楽しめる
デメリット
- ミネラルが多すぎると、飲みにくかったり、料理に使いにくかったりすることがある
RO水サーバー
RO水とは
ウォーターサーバーで利用することのできるもう一つの水は、「RO水」です。
「RO水」というのは、RO(逆浸透)膜と呼ばれる半透膜によって、水分子以外のほとんどすべての不純物を除去したもの。
限りなくH₂Oに近い水であり、ここから「ピュアウォーター」という名前で販売しているメーカーもあります。
RO膜は元々アメリカで海水の淡水化に向けて開発が進められたもの。イオンや金属、硝酸態および亜硝酸態窒素、ウイルスなど、通常のろ材では取り除くことのできないほとんどすべての物質を除去できることから、海水の淡水化以外にも工業用の超純水の製造や下水の処理、国際平和維持活動での利用など、様々な分野での活用が期待されています。
RO水の最大の特徴は、その清浄性。ただし水に含まれるミネラルなども取り除いてしまうため、後から人工的にミネラルを添加しているものもあります。
RO水のメリットデメリット
RO水には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
- 清浄な水として、家族で安心して飲むことができる
- 料理や飲み物に使っても、味わいに影響を与えない
デメリット
- ミネラルの摂取が期待できない
- 水そのものの味の特徴が少ない
ウォーターサーバーの水の選び方
これまで「ミネラルウォーター」と「RO水」の2種類の水についてそれぞれ特徴を見てきましたが、結局のところどちらの水のウォーターサーバーを選んだら良いの?ということが気になりますよね。
そこでここからは、使用の目的や人、値段によって、どちらの水が向いているのかということを見ていきたいと思います。
ミネラルを摂取したいならミネラルウォーター
ウォーターサーバーでミネラルを多く摂取したい!という人は、当然ながらミネラルウォーターがおすすめ。より多くのミネラルの摂取を期待するなら、硬度の高いものを選ぶと良いでしょう。
ただし水で摂取したミネラルはすぐに体外に排出されてしまうとも言われており、食事からも積極的に摂取する必要があります。
赤ちゃんにはRO水
赤ちゃんのミルク作りなどに安心して利用できるウォーターサーバーを選びたいという方には、清浄さが魅力のRO水のサーバーが人気です。
ミネラルが多く含まれたミネラルウォーターだと赤ちゃんの内臓に負担がかかってしまいますので、ミネラルウォーターサーバーを利用する場合には、硬度の低いものを選ぶようにしましょう。
飲用か、料理用か
サーバーの水はもっぱらそのまま飲むのに使いたいという方にとっては、ミネラルウォーターを利用した方が水そのものの味の個性が楽しめるかもしれません。
飲み物や料理にも積極的に使いたいという人は、味に影響を与えないRO水を選ぶのも一つです。
価格の違い
サーバーの水の価格というのはメーカーによっても違ってきますが、一般論から言えば、ミネラルウォーターよりもRO水の方が価格は安いです。
ですから、水の味などよりもとにかく価格を重視したい!という方には、RO水のサーバーがおすすめです。
まとめ
では最後に、ウォーターサーバーの水の種類と選び方についてまとめておきたいと思います。
- 地下水を原水としたミネラルウォーターには、品質表示上の分類や、軟水・硬水の区別などがある
- ミネラルウォーターの一種として、「天然水」「バナジウム水」などと呼ばれるものも人気
- RO水は、ほとんどすべての不純物を除去した清浄な水
- ミネラルを摂取したい、水そのものの味の個性を楽しみたいという方には
ミネラルウォーターがおすすめ - 赤ちゃんのミルクや料理などに使い、コストも抑えたい方にはRO水がおすすめ
<参考文献>
一般社団法人日本宅配水&サーバー協会
(http://www.jdsa-net.org/)
「Q&A集」一般社団法人日本ミネラルウォーター協会
(https://minekyo.net/publics/index/7/)
「RO浄水器」一般社団法人浄水器協会
(http://www.jwpa.or.jp/ro/)