強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)ってどんな水?
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)は今、さまざまな分野で活用されるようになっている水の一つです。
どんな水?どんなふうに作られる?使い方は?強酸性電解水について詳しく見てみましょう。
目次
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)とは
電解水とは、水道水や食塩水などを電気分解することにより生成される水の総称です。
その中でも、次亜塩素酸(有効塩素20〜60ppm)を主生成分とする、pH2.7以下の強酸性の水を強酸性電解水と言います。強酸性水は2002年には「強酸性次亜塩素酸水」として食品添加物にも指定されています。
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)の作り方・生成器
0.2%以下の塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を、陽極と陰極の間に隔膜が設けられた二室型あるいは三室型の電解槽内で電解することにより、陽極側に生成されます。
このとき、陰極側にはpH11~15の強アルカリ性電解水が生成されます。
生成器は個別に薬事認可申請が行われ、1996年には「手指洗浄消毒」、1997年には「内視鏡洗浄消毒」を目的とした装置が医療用具(薬事法改正に伴い、医療機器製造販売承認)として認可されています。
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)の特性
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)は、高い抗菌・抗ウイルス活性を持つという特徴があります。
有効塩素濃度40ppmの強酸性電解水は、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌、ノロウイルスやインフルエンザウイルスといった各種の菌やウイルスに対し、1000ppmという高濃度の次亜塩素酸ナトリウムに匹敵する殺菌活性を示すということです。
強酸性電解水は有機物によって殺菌力が低下するため、油脂やたんぱく質の除去作用が高いと言われる強アルカリ性電解水で前処理をしてから使うという方法が多く採られています。
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)についてはさまざまな試験によって安全性も確認されています。肌荒れ等の心配も少なく、手肌に直接使用できるというのも大きな特徴です。
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)の使い方
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)は、その高い抗菌・抗ウイルス活性と安全性からさまざまな分野で活用されるようになっています。
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)と医療
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)は、医療の現場において欠かすことのできないものとなりつつあります。
まず、肌に直接使用できることから医師や看護師と言った医療従事者の方々の手指の洗浄消毒用に用いられます。
また、強アルカリ性電解水と強酸性電解水を組み合わせて使用した内視鏡消毒器が実際に有効活用されているということです。
患者の清拭ややけどの洗浄消毒のほか、医療機器やベッド、車イスなどを消毒する際にも強酸性電解水が使用されている例があります。
そのほか歯科においても、手指や器具の洗消毒に強酸性電解水が用いられているところもあります。
強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)と調理・食品加工
調理・食品加工の現場においても、殺菌洗浄は非常に重要な課題です。同時に、用いられる洗浄剤は安全性が確保されているものでなければありません。
そこで注目されているのが、強酸性電解水です。
包丁やまな板、布巾などといった調理用具の洗浄に強酸性電解水が用いられることも増えてきています。
強酸性電解水は「強酸性次亜塩素酸水」として食品添加物にも指定されており、野菜や魚類、肉類、卵などといった食品の殺菌洗浄にも使用することができます。
まとめ
それでは最後に、強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)についてまとめておきます。
- pH2.7以下の強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)は、高い抗菌・抗ウイルス活性を持つ
- 強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)は、医療現場での手指や機器の消毒、調理の現場での殺菌洗浄などに活用される
<参考文献>
「機能水とは」一般財団法人機能水研究振興財団
(http://www.fwf.or.jp/kinousui.html)