逆浸透膜(RO膜)って何?浄水器にも使われる逆浸透膜(RO膜)、その特徴
「逆浸透膜(RO膜)」というものをご存知ですか?浄水器のフィルターに使われ、注目を集めるようになっています。
ここでは逆浸透膜(RO膜)について詳しく見ていきます。
目次
逆浸透膜(RO膜)とは
動物や植物の細胞膜は、水分子だけを通過させ、水に溶けている物質は通過させないという性質を持っています。このような膜のことを半透膜と言います。
純水と不純水を半透膜で仕切ると、通常は浸透現象(純水から不純水側に水が移動する)が起こるのですが、逆に不純水側に圧力をかけることによって純水だけを取り出そうというのが逆浸透膜浄水器の仕組みです。このときに用いられる半透膜を逆浸透膜、または逆浸透現象(ReverseOsmosis)の頭文字を取ってRO膜と言います。
逆浸透膜(RO膜)の特徴
逆浸透膜(RO膜)は、一般的な浄水器に用いられているフィルターとは大きく異なる点があります。
一般的な浄水器は、活性炭で水道水中の残留塩素や有機物などを除去し、ろ過膜(中空糸膜や不織布)で一般細菌やカビなどをブロックします。
水道水は元々そのまま飲んでも健康上問題ないものですが、浄水器を使うことで、より安心しておいしい水を楽しむことができるのです。
一方逆浸透膜(RO膜)は、水中に含まれているイオン、金属、ウィルスなど、水分子以外のほぼすべての物質を除去することが可能です。逆浸透膜(RO膜)を使えば、海水や汚染水など飲用には適さないような水であっても、溶け込んでいる物質を除去して浄水することができます。逆浸透膜(RO膜)を使った浄水システムは、飲用水が不足している地域での海水の淡水化、海外での給水支援活動、国際宇宙ステーションなど様々な場面で活用されるようになっています。
逆浸透膜(RO膜)を使った浄水器
逆浸透膜(RO膜)を用いた家庭用浄水器は、数は多くありませんが使われるようになっています。逆浸透膜は高い浄水能力を持つと言いましたが、膜事態に影響を及ぼす物質などは除去しにくいという欠点があります。そこで多くは、前処理として活性炭フィルターが用いられています。
また、逆浸透膜(RO膜)は通常のフィルターのように垂直方向に水を流すとすぐに目詰まりを起こしてしまう可能性があるため、膜に対して平行方向に水を流す「クロスフロー方式」が採用されていることが多いです。この方式には、排水が出る、ろ過流量が少なくなるなどのデメリットがありますが、その問題点をカバーすべくメーカーが様々な工夫をしています。また、この方式を採用することで目詰まりが起こりにくく、一般的なフィルターと比べて交換頻度が少なくて済むとも言われています。
まとめ
それでは最後に、逆浸透膜(RO膜)についてまとめておきます。
- 逆浸透膜(RO膜)とは、逆浸透現象を利用して純水を取り出すのに使われる半透膜のこと
- 逆浸透膜(RO膜)は、水分子以外のすべての不純物を除去できるという特徴がある
- 逆浸透膜(RO膜)を用いた浄水器には、活性炭との併用や、クロスフロー方式が採用されている
<参考文献>
一般社団法人浄水器協会
(http://www.jwpa.or.jp/ro/)