料理・飲み物は水で決まる!おいしい関係を築くためのキーワード
料理や飲み物に使う水、どんなふうに選んでいますか?
水道水をそのまま使っている方、浄水器に通したものを使っている方、ミネラルウォーターを使っている方、さまざまいらっしゃると思います。
料理や飲み物をおいしく楽しむために水にもこだわりたいという方が最近では増えてきました。
でも、どんな水をどのように使えばよいのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、料理・飲み物と水の関係を徹底解剖!料理や飲み物にぴったりの水の種類や使い方をご紹介します。
目次
料理・飲み物における水の重要性
料理や飲み物を作るときに欠かせない水。この水が重要だということは多くの方がご存じかと思いますが、具体的に水がどのように料理や飲み物に影響するのでしょうか?
味
水の違いは、まずは料理や飲み物の「味」に現れます。 水に嫌なにおいや味があれば、当然ながら料理や飲み物はおいしく仕上がりません。
例えばご飯。お米は最初に触れた水をよく吸収すると言われており、このとき使う水ににおいがあると、炊き上がったご飯にもにおいが残り、味が損なわれてしまうこともあると言われています。
料理や飲み物の味にこだわりたいという方は、水にこだわることが大切なのです。
香り
紅茶やコーヒーなどの飲み物は「香り」が命、と言っても過言ではありません。
水は、香りを引き立てることもあれば、損なってしまうこともあります。素材そのものの香りを楽しむためには、当然においのない清浄な水を選ぶことが大切。
さらに、香りを引き立てやすい水はどんな水なのかを知っておくことも必要です。
また、飲み物の香りを引き立てるには水の温度も大事なポイントと言われています。
食感
水の種類や使い方が影響するのが、「食感」です。
うどんなどの麺類は茹で時間によって食感が変わるのは当然のことですが、茹で上がった後に冷水で締めることによってコシを生むこともできます。
同じように、サラダ野菜を冷水に浸けておくことでシャキッとさせる方法もあります。
料理において食感はとても大切な要素ですから、水を上手に使うことで心地よい歯ごたえや舌触りを楽しみたいですね。
見た目
水は、飲み物や料理の「見た目」も左右する重要な存在です。
煮豆をつくるとき、ミネラルの多い硬水を使ってしまうと豆にしわが出来て硬い仕上がりになってしまうのに対し、軟水を使うとふっくらと軟らかく仕上がります。
また、野菜を茹でたり水に浸けたりしてアク抜きをするのには、味をよくするだけではなく、色よく仕上げる効果もあると言われています。
飲み物も、水の種類によって色の出方が変わってくることがあり、料理の彩りも楽しむために、水がいかに大切であるかがわかります。
水の選び方
料理や飲み物と水の関係についてまず大切なことは、どんな水を選ぶかということです。
現代ではさまざまな水が手に入ります。料理や飲み物に合わせた選び方のポイントを見ておきましょう。
軟水と硬水
料理や飲み物に使う水を選ぶときの大きな基準として、「軟水か硬水か」ということが挙げられます。
軟水・硬水の区別は硬度(含まれるマグネシウムとカルシウムの合計含有量の指標)によって決まります。 簡単に言うと、含有量が少ないものが軟水、多いものが硬水です。
日本の水は元々軟水が多く、水道水やミネラルウォーターもほとんどが軟水であるのに対し、ヨーロッパの水は多くが硬水です。
そのためか、一概には言えませんが、日本の料理や飲み物にはやはり日本の水(軟水)が合い、洋風の料理や飲み物には硬水が合うということが多いようです。
軟水・硬水と料理や飲み物との相性については、次のようなことが言われています。
軟水
- ご飯を炊くとふっくらとおいしく仕上がる
- だしを取るのに使うと繊細な旨みが引き出せる
- 野菜を煮るときなどに使うと、柔らかく仕上がる
- 緑茶を淹れると素材本来の旨味が出る
硬水
- パエリアなど、ご飯をパラパラに仕上げたいときにはおすすめ
- 牛肉を煮込むときなどに使うと、あくが出やすくなる
- パスタを茹でるときに使うとコシが出る
- コーヒーを淹れるときにカルシウムの多い水を使うと苦味が抑えられる
水道水とミネラルウォーター
もう一つ、料理や飲み物には水道水をそのまま使って良いのか、購入したミネラルウォーターを使った方がよいのかということも、気になるポイントの一つです。
では、両者が料理・飲み物に与える影響にはどのような違いがあるのでしょうか?
水道水
日本の水道水の水質は他国に比べて優れており、そのまま飲んでも安全でおいしいものです。 ですから、料理や飲み物に使っても問題はありません。
しかし以下のような点が、料理や飲み物の味わいに影響することもあります。
- 消毒のために用いられた塩素の残留によるカルキ臭
- 地域条件や住宅環境などによる、水の汚れやにおい
これらが気になる場合の対処方法の一つとしては、水道に浄水器を取り付けるということがあります。
浄水器は、活性炭などのろ材によって水道水中に残ってしまった不純物や塩素を取り除くためのものです。
ゴミが出ず、使い勝手も水道水とさほど変わらないので、手軽においしい水を使いたい方におすすめです。
ミネラルウォーター
現代では、さまざまな種類のミネラルウォーターが販売されています。
そのまま飲用するものとしてはこうしたミネラルウォーターを利用している人も多いかもしれませんが、料理や飲み物にはどうでしょうか?
当然、そのまま飲んでおいしいミネラルウォーターは、料理や飲み物にも積極的に使うことができます。 でも気を付けたいポイントもあります。
種類を確認する
ミネラルウォーターと一口に言ってもその種類はさまざまですから、料理や飲み物との相性を考えて選ぶことが大切です。
例えば先に挙げた軟水と硬水の区別があります。
ミネラルウォーターにはミネラルが多く含まれた硬水のものも多いため、和食との相性が良くないこともあり、注意が必要です。
買い物やゴミの手間
ミネラルウォーターを毎日の料理や飲み物にも使うとなったら、買い物やゴミの手間がかかります。
ですから、より便利な方法を見つけることも大切です。
- 大容量サイズやまとめ買い
- 通販
- ウォーターサーバー など
浄水と電解水素水
ペットボトルのように買い物の手間やゴミ出しの手間がかからない、「より便利な方法」としては、浄水や電解水素水を利用してみるのも良いかもしれません。これらはそれぞれ「浄水器」や「整水器」を蛇口などに取りつける必要はありますが、一度取りつけてしまえば、それ以降は上記のような面倒な作業に悩まされることはなくなります。
また、手間が省けるだけではなく、「ストックのスペース確保」や「賞味期限」なども気にする必要がなくなり、いつでも好きな時に好きなだけキレイで新鮮な水を利用することができるようになります。
では、「浄水」と「電解水素水」とでは、どのような違いがあるのでしょうか。2つの水についてカンタンに見ていきましょう。
浄水
この水は、ろ過機能をもった「浄水器」や「整水器」という機器を用いて出すのが一般的です。ろ材の種類や機器の性能(除去対象物質数・除去率)などによって、出てくる水の清浄度は異なりますが、一般的には異臭(カルキ臭やカビ臭)や残留塩素、サビ、トリハロメタンなどの有害物質を除去してくれます。
たとえば、築年数の古いマンションや一般住宅では、水道管内部にサビが付着して水が茶色く濁ることがあると言われていますが、こういった不純物もしっかりとしたろ過性能を持つ機器であれば、ほとんど除去してくれます。
このように浄水は、味や口あたりよりも不純物の除去を重視しているため、「飲み水や料理に適した水」と紹介するより、むしろ「水道水よりも清浄な水」と紹介した方が適切なのかもしれません。
電解水素水
この水は、ろ過機能に加え電気分解機能をもった「整水器」という機器からつくられる水です。整水器内部にある「浄水フィルター」で水道水中の不純物をしっかり取り除き、さらに電気分解をすることで、水素を含んだアルカリ性の「電解水素水」がつくられます。
浄水器から出てくる浄水と同様に、とてもキレイで異臭もありません。また、電気分解されているためアルカリ性で水素も含んでおり、単なる浄水と違って口あたりがなめらかなど、「飲み物」としても好評です。
さらに、この水は抽出力が高いため「ごはん炊き」や「料理の下ごしらえ」などにピッタリです。食材がもっている本来のうま味や香りをグッと引き出してくれるので、いつもの食事がより味わい深いものになるでしょう。
- 古米を使ったごはんもふっくら…
https://www.3aaa.gr.jp/userinfo/index/14
- 旨味を上手に引き出し、味わい深いダシに…
https://www.3aaa.gr.jp/userinfo/index/16 - アクぬきをもっとシッカリ&簡単に…
https://www.3aaa.gr.jp/userinfo/index/6<参考:アルカリイオン整水器協議会HP>
水の使い方
料理や飲み物をおいしく楽しむためには、水の種類だけではなく、その使い方も大切です。
ここでは、大きく3つのポイントを見ておきます。
温度
例えば、高級なお茶を淹れるときにグラグラと沸いたお湯を使ってはいけないと言われます。
一度湯呑に入れるなどして冷ましてから淹れることで、渋味を出さずにお茶の旨味だけを上手に引き出すことができるのです。
お茶だけではなく、すべての料理や飲み物において、水の温度は重要なカギを握ります。
- 赤ちゃんのミルクを作るときのお湯の温度
- 野菜などを茹でるときの水温
- パン生地やうどん生地をこねるときに使う水の温度など
料理や飲み物に使う水の温度を間違えてしまうと、おいしくない、きれいに仕上がらない、栄養素が壊れてしまうなどなど、様々な面でマイナスになってしまうこともあります。
温度を計るのが面倒という方も多いかもしれませんが、是非こだわりたいポイントの一つです。
量
同じく水の量も重要です。日本人の食生活には欠かせない、ご飯。
お米を炊くときに水の量を間違えてしまうと、ベチャベチャになってしまったり、反対にパサパサになってしまったりということもあります。
炊飯器には水の量を示す目盛りが設けられていますが、お米に合わせた水の量の基本を知っておくことで、どのような条件でも上手に炊くことができるようになります。
ほかの料理でも同じことです。その都度レシピを見れば必要な水の量はわかりますが、料理の基本として覚えておくことで、さまざまな場合にも応用していくことができるのではないでしょうか。
使用方法
もちろん、「水をどんなふうに使うか」ということも忘れてはなりません。
以下のように、水にはさまざまな使い方があります。
- 洗う
- 茹でる
- 煮る
- 蒸す
- 冷やす
- 浸ける
- もどす
- だしを取る など
例えば野菜のアクを抜くためにさっと茹でたり、冷水に浸けたりすることは、料理をおいしく、彩りよく仕上げるための大切な下ごしらえです。
だしの取り方一つとっても、昆布なら水に浸ける、鰹節ならお湯に入れるなど、その使い方も異なります。
何のために、どんな食材に、どんなふうに水を使うのかということも、きちんと頭に入れておきたいですね。
まとめ
それでは最後に、料理・飲み物と水の関係をまとめておきます。
- 水は、料理や飲み物の味・香り・食感・見た目などに影響を与えることがある
- 硬水と軟水、水道水とミネラルウォーター、浄水器や整水器の活用など、さまざまな水の中から料理・飲み物に適したものを選ぶことが大切
- 水の温度や量、使い方に気を付けながら、料理や飲み物を楽しむとよい
参考文献
一般社団法人日本ミネラルウォーター協会
https://minekyo.net/
藤田紘一郎監修『ミネラルウォーターの処方箋』日東書院本社
井上正子監修『基礎知識からわかるミネラルウォーターBOOK』新星出版社