アンチエイジングの意味と、今日から始める6つの方法
「アンチエイジング」という言葉を耳にする機会が増えました。アンチエイジング効果を謳う化粧品や美容施設なども増えており、気軽に利用できるようになっています。
ところで、「アンチエイジング」とはそもそもどのような意味なのでしょうか?アンチエイジングの正しい方法とは? 知っているようで意外と知らないアンチエイジングの基礎知識をまとめました。
目次
アンチエイジングとは?
アンチエイジングの意味
「アンチエイジング」は、日本語で「抗加齢」や「抗老化」と説明されます。つまり、加齢と共に起こるさまざまな体の機能低下を防ぐことを「アンチエイジング」と呼びます。
世界各国の民話の中でも語られているように、「不老不死」や「若返り」は古くから人間にとっての憧れであり、同時に人間の技では不可能なものと考えられてきました。
しかし1980年代頃になって、老化の原因やプロセスが少しずつ解明されるようになってきました。それと共に、老化を遅らせる、すなわち「アンチエイジング」という概念が生まれてきたそうです。
老化や死を止めることは不可能ですが、起こるべき老化現象を少しでも遅らせたり、軽減させたりすることこそが、アンチエイジングの本来の目的なのです。
アンチエイジングの分野
アンチエイジングは、大きく2つの分野に分けることができます。
美容
「アンチエイジング」という言葉が最初に使われるようになったのは、美容の世界においてでした。シワやたるみ、くすみなどといった老化に伴う様々なトラブルを予防・減少し、いつまでも若々しくありたいという願いを叶えるということが、大きな目的でした。
アンチエイジング美容には、以下のような方法があります。
- 化粧品
- 美容室、エステなどの美容施設
- 美容整形
いずれの場合にも、「アンチエイジング」という言葉にすぐに飛びつくのではなく、その具体的な特長や作用、費用などをよく確認してから行うことが大切です。
健康・医療
さらに2000年頃からアンチエイジングの重要な意味を担うようになってきたのが、健康・医療分野です。
多くの生活習慣病は、加齢と共に発症リスクが高くなることが知られています。長寿大国として知られる日本ですが、一方では医療費や介護負担の増大が課題になっています。そこで、これら病気にかかるリスクを軽減してより健康に長寿を目指す「アンチエイジング医学(抗老化医学)」が提唱されるようになったのです。
アンチエイジング医学の領域は、内科、外科、皮膚科、婦人科、眼科、歯科など多岐にわたります。さらに従来の医療が病気の治療に重点を置くものであるのに対し、アンチエイジング医学は病気の原因を除去したり発症を防いだりする積極的予防医学であるとも言われています。
アンチエイジングの方法
では、アンチエイジングには具体的にどのような方法があるのでしょうか?日々の生活の中でできるアンチエイジング法をいくつかご紹介します。
運動
アンチエイジングにおいて大切なものの一つが、運動です。運動には、身体機能や体力の向上、消費エネルギーの増大などといった効果が期待されており、生活習慣病の予防に役立つと言われています。また、血流促進や肥満予防など、美容にもよい効果をもたらすと考えられます。
運動には以下のような種類があり、それぞれ異なる効果が期待されています。アンチエイジングのためには、自分に合った運動を継続的に行うようにしましょう。
有酸素運動
呼吸によって酸素を取り込みながら全身を使って行う運動で、脂肪燃焼や心肺機能の向上、血液循環などに役立つと言われています。
筋力トレーニング
筋肉を鍛えることによって基礎代謝量が上がり、デトックス効果が期待できます。
ストレッチ
加齢と共に固くなりやすい筋肉を伸ばすことによって柔軟性を高めるほか、リラックス作用もあると言われます。
食事
運動と同じく、食事も健康や美容に大きな影響を及ぼします。動物性脂肪や糖分、塩分の過剰摂取、過食、多量の飲酒などは、糖尿病やメタボリックシンドローム、脂質異常症など生活習慣病のリスクを高めることが知られています。
そのためアンチエイジング医療の現場では、運動療法と同じく、生活習慣を改善して病気のリスクを軽減するための食事療法が取られることもあります。
また、美容や健康によいと言われる食材を積極的に摂るようにしたり、健康食品やサプリメントを活用したりする方法もあります。
もちろん、アンチエイジングによいからと言って同じものばかりを食べていればよいということではありません。一日三度の食事を、規則正しく、バランスよく食べるということが何よりも大切です。
水分補給
アンチエイジングの方法として意外に見落とされがちなのが、水分補給です。
人間の体はおよそ60%が水分です。体の中の水分は体に必要な栄養素を運んだり、不要なものを尿として排出したりといった大切な役割を果たしています。
その量は加齢と共に減少し、老化の原因の一つになると言われています。ですから、きちんと水分補給を行い、十分な水分量を保つことがアンチエイジングのためにも重要なのです。
1日に必要と言われる水の量は、およそ1.2ℓ。水道水のほか、浄水やミネラルウォーターなどさまざまな水があり、好みや用途に合わせて選ぶことができます。自分に合った水を見つけて、上手に水分補給を楽しみましょう。
睡眠
アンチエイジングのためには、質の良い睡眠も欠かすことができません。
就寝中には成長ホルモンが多く分泌されます。成長ホルモンは、新陳代謝を促し傷ついた細胞を修復するなど、アンチエイジングには欠かせないホルモンとして知られています。お肌の古い細胞が新しい細胞へと生まれ変わる「ターンオーバー」にも、成長ホルモンが重要な役割を果たしています。
また、睡眠は心身の休養のためにも欠かせないものです。慢性的な睡眠不足は、さまざまな生活習慣病の原因になることが知られています。
もちろん、睡眠時間が長ければよいというわけではありません。良質な睡眠をとるためには、昼間はしっかりと太陽の光を浴びる、夜はゆっくりとお風呂に浸かって体を温める、寝る前にパソコンやスマホを見過ぎないといったことが大切です。
美容
美容分野でのアンチエイジングには、次のような方法があります。
肌のアンチエイジング
シワやシミ、乾燥などといった加齢による肌のトラブルを予防したり、軽減したりするためのものです。
生活習慣の改善によって肌本来の力を高めるという方法が一つ。また、アンチエイジング効果があると言われる化粧品や、エステなどの美容施設、美容整形等を利用する方法もあります。
髪・頭皮のアンチエイジング
加齢によって、白髪や抜け毛など、髪や頭皮の老化も進行します。
アンチエイジング効果があると言われるヘアケア製品のほか、美容室での施術を利用する方も多いようです。
体のアンチエイジング
加齢によって体型が崩れる、太りやすくなるなどといったトラブルを解消するためには、体のアンチエイジングにも力を入れる必要があります。
食事や運動によるダイエットのほか、エステなども人気を集めています。
アンチエイジング医療
アンチエイジング医学では、実際に医療現場での臨床応用が始まっています。
アンチエイジング医療を行う上で大切なのは、病気のリスクを適切に判断することです。そのために行われるのが、「アンチエイジングドック」です。
従来の人間ドックに加えて、血管年齢・脳年齢・骨年齢・筋年齢・ホルモン年齢などの検査を行うことによって、老化の度合いを判定し、次のような指導や治療を進めていくものです。
生活療法 | 運動療法、栄養療法、精神療法など |
薬物療法 | ホルモン補充治療、免疫強化療法、抗酸化療法など |
特殊療法 | 美容・形成外科、皮膚科、代替医療(音楽、ヨガなど)など |
まとめ
それでは最後に、アンチエイジングの意味や方法についてまとめておきます。
- アンチエイジングは「抗加齢」「抗老化」という意味で、加齢による体の機能低下を防ぐこと
- 美容分野でのアンチエイジングのほか、健康に長生きするためのアンチエイジング医学の重要性が提唱されている
- アンチエイジングのためには、運動、食事、水分補給、睡眠などといった生活習慣の改善が大切
- 肌や髪、体のアンチエイジングを行うための化粧品や美容施設が増えてきている
- アンチエイジングドッグによって老化の度合いを判断し、適切な指導や治療を受ける方法もある
<参考文献>
「アンチエイジング医学(抗加齢医学)とは」日本抗加齢医学会
(http://www.anti-aging.gr.jp/anti/)
「アンチエイジングとは?」NPO法人アンチエイジングネットワーク
(https://www.anti-ageing.jp/about/)