汗をかいたら水分補給!汗をかいたときの正しい水分補給の仕方とは
汗をかいたときには、水分補給が大切だということはよく知られていますよね。
運動中はもちろん、夏の暑い日や発熱時などにも、汗として失われた水分をきちんと補給することが大切です。
では、汗をかいたときに水分補給をしないとどのような危険性があるのでしょうか?正しい水分補給の仕方とは?
知っているようで知らない汗と水分補給の関係について、詳しく見ていきます。
目次
汗をかいたときの水分補給の重要性
汗には、体温が高くなったときに皮膚表面から水分を蒸発させることで熱を放出し、体温を下げるという重要な役割があります。
汗は、その99%が水分です。つまり、汗をかくことによって体からは水分が失われます。
汗をかいたのに水分補給をしないでいると、脱水状態に陥り、頭痛やめまいなどの不調を起こすことがあります。
また、体が脱水を防ぐためにそれ以上の発汗をストップしてしまうため、体温の上昇が止まらなくなり、意識障害などが起こる危険性もあると言われています。
一般的に、発汗によって体重の1%の水分が減少すると体に影響が出始め、2%の水分喪失では確実に動きが低下、3~4%の減少でさまざまな体調不良が現れるようになり、5%が減少すると危険な状態になると言われています。
汗以外にも、尿や呼気からの蒸発などによって体内の水分は日々失われています。
その分を補うために必要だと言われている水分の量はおよそ1.2ℓ。汗をかいたときには、さらにその分をプラスして補給する必要があるのです。
発汗による水分補給が必要なときは?
では、発汗量が増えて水分補給が必要になる場面にはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な場面としては、次のようなものがあります。
- 運動
- 高気温
- 入浴
- 就寝
- 発熱
運動中や入浴中にダラダラと流れ落ちるような汗はわかりやすいかもしれませんが、就寝中など、知らない間にかいている汗もあります。
また、発熱時にも体温を下げるために多くの汗をかくことがありますので、注意が必要です。
汗をかいた自覚のある・なしに関わらず、上記のような場面では意識して水分補給をするようにしましょう。
汗をかいたときの水分補給の仕方
汗をかいたときにはその分の水分補給が欠かせませんが、どんな方法でもよいというわけではありません。
むやみに水分補給をしてしまうと体調不良を起こすこともありますから、注意してください。
汗をかいたときの正しい水分補給の量・タイミング・飲み物について詳しく見てみましょう。
量
軽い運動や入浴による汗であればコップ一杯程度の水を補給すれば構いませんが、大量の汗をかくときには注意が必要です。
最初に述べたように、体内の水分量が減少することで体にはさまざまな不調が現れ始めます。
運動などで汗をかくときには、水分の減少量が体重の約2%を超えないように気を付けて水分補給を行いましょう。
運動の前後で体重を測定するなどして、自分の汗の量を把握しておくとよいと思います。減少量に対して、70~80%を目安に補給するとよいと言われています。
タイミング
汗をかいてから水分補給をするのでは、脱水症状を防ぐことができない場合もあります。
汗をかくことが予測される場合には、前もって水分補給をしておくことが大切です。入浴や就寝の前にはコップ一杯程度の水を飲んでおくとよいでしょう。
運動などで多量の発汗が予想される場合には、30分ほど前までに300ml程度の水分補給をしておくとよいと言われています。
さらに運動中、運動後にも体内の水分減少量に注意しながら水分補給を行うようにしましょう。
飲み物
通常の水分補給には、糖分やカフェインの含まれていない水を飲むのがよいとされていますが、汗をかいた場合には少し事情が異なります。
汗にはわずかですが塩分も含まれているため、大量の汗をかいたときは、水分と同時に体内の塩分も失われます。
このようなときに水だけを補給していると、水分と塩分のバランスが崩れ、筋肉の痙攣などが起こることがあるのです。
激しい運動や高温下での作業などによって大量の汗をかく場合には、塩分濃度0.1~0.2%程度の飲み物を飲んだほうがよいとされています。
ただし、日常生活や軽い運動で汗をかいた場合には水を補給するので構いません。市販のスポーツドリンクには糖分が多く含まれているものもありますので、飲み過ぎには注意しましょう。
まとめ
それでは最後に、汗をかいたときの水分補給についてまとめておきます。
- 汗をかいたときに水分補給をしないと、脱水症状に陥る危険性がある
- 運動中や入浴中、気温が高いときはもちろん、発熱時や就寝中などにも汗をかいている
- 汗をかいたときの水分補給は、量・タイミング・飲み物にも注意する必要がある
<参考文献>
環境省 熱中症予防情報サイト
(https://www.wbgt.env.go.jp/)
「2.熱中症はどのようにして起こるのか」環境省 熱中症環境保健マニュアル2018
(https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_1-2.pdf)
「失われる水と塩分を取り戻そう」公益財団法人 日本スポーツ協会
(https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid919.html)
「水分摂取の方法 多量の発汗には塩分補給も!」公益財団法人 日本バレーボール協会
(https://www.jva.or.jp/play/protect_heat/heat03.html)