尿と水分補給の関係 いい尿のためには水分補給が大切!
尿の状態、毎日チェックしていますか?健康のバロメーターとも言える尿ですが、そこには水分補給が密接に関係しています。そもそも尿って何?1日の平均的な量や回数は?
尿が少ないとどんな影響がある?“いい尿”のための正しい水分補給の仕方とは?毎日の健康を左右する尿と水分補給の関係について、詳しく見ていきます。
目次
尿の役割と量
そもそも、尿はどうして出るのでしょうか。尿は、私たちの体内にある腎臓という臓器で作られています。腎臓にはいくつかの機能がありますが、その一つが体内の老廃物を尿として排出することです。
私たちの体の中を巡る血液は、酸素や栄養素を体中の細胞に運ぶと同時に、老廃物を細胞から回収します。
老廃物を含んだ血液は腎臓の糸球体でろ過され、不要なものは尿として排出され、きれいになった血液は再び体を循環するのです。腎臓では1日約150ℓ以上もの液体(原尿)がろ過され、そのうちおよそ99%は再吸収され、残りの1%ほどが尿として排出されます。
尿の量は個人や体調によっても異なりますが、1日約1.0~1.5ℓ程度と言われています。1回あたりの尿量は200~400ml程度、回数は1日5~7回程度が平均的です。
水分不足による尿の異常
腎臓には、老廃物を尿として体外へ排出するほかに、体内の水分量を調整する機能もあります。体内の水分量が減少すると腎臓は尿の量を減らし、水分量が増えると尿の量を増やして、体内の水分量を一定に保っているのです。
発汗量の増加などによって体内の水分が不足した場合には、尿量は減少します。すると老廃物がきちんと排出されなくなり、むくみや疲れなどの原因になることがあるのです。
老廃物を排出するためには最低でも1日400ml程度の尿量が必要だと言われており、これを下回ることを「乏尿」、さらに100ml以下になることを「無尿」と呼んでいます。
また、回数だけではなく、尿の量が濃くなるのも体内の水分不足のサインです。尿の異常には腎臓の障害が原因になっていることもありますが、運動中や高温下での作業中に尿量の減少が見られるような場合には、脱水症状の進行が疑われますので注意してください。
尿と水分補給の関係
私たちの体からは尿として老廃物が排出されていますから、その分をきちんと補給しないと、体は脱水状態に陥ってしまいます。1日に必要な水分補給の量はおよそ1.2ℓと言われています。
ただしこの量をやみくもに補給すればよいというわけではありません。一度に大量の水分補給をしても、体は吸収しきれず、多くが尿として排出されてしまいます。そのため、一度にコップ一杯程度の水をこまめに補給するようにしましょう。
また、水分補給する際の飲み物の種類にも注意が必要です。緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれるカフェインには利尿作用があり、水分補給のつもりが逆効果ということにもなりかねません。
水分補給にはカフェインの含まれていない水や麦茶などを用いるのがおすすめです。また、ビールなどのアルコール飲料にも尿の量を増やす作用があり、脱水を招く危険性があります。お酒を飲むときには、一緒に水分補給もするように心がけましょう。
まとめ
それでは最後に、尿と水分補給の関係をまとめておきます。
- 血液によって回収された体内の老廃物は、腎臓でろ過され、尿として排出される
- 発汗などによって体内の水分が不足すると、尿量が減少し、体調不良が起こることがある
- 尿量を補うための水分補給のポイントとしては、カフェインの含まれていない飲み物を、こまめに飲むことが大切
<参考文献>
「1.腎臓の構造と働き」一般社団法人日本腎臓学会
(https://www.jsn.or.jp/global/general/_3227.php)
公益財団法人 日本腎臓財団
(http://www.jinzouzaidan.or.jp/index.html)
「『健康のために水を飲もう』推進運動」厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html)