お米の研ぎ方 3つの手順とポイント
おいしいご飯を食べるための最初の大事な工程は、「お米を研ぐ」ことです。
何気ないお米の研ぎ方が、ご飯の味を大きく左右することもあると言われています。
では、正しいお米の研ぎ方とはどのようなものなのでしょうか。
おいしいご飯を食べるための、お米の研ぎ方のポイントやおすすめの水をご紹介します。
目次
お米を研ぐ理由
お米はなぜ「研ぐ」?
そもそも、お米はなぜ「研ぐ」必要があるのでしょうか。
それは、お米の表面に付着したぬかやゴミ、ホコリなどを取り除くためです。お米の汚れをゴシゴシと手で研いで(といで)落とすことによって、あの、ご飯のおいしい香りや味わいが楽しめるのです。
しかし、昔に比べて現代では精米技術が確実に進歩しているため、精米されたお米にはほとんどぬかが残っていません。ですから力を入れてゴシゴシと研ぐ必要はなく、表面のぬかやゴミをさっと洗い落とすだけで十分だと言われています。むしろ研ぎ過ぎてしまうことにより、お米が割れて、おいしさや栄養が逃げてしまうことがあるので、注意が必要です。
また、新米・古米の違いによっても研ぎ方は変えたほうがよいとされます。新米や精米をしたばかりの鮮度のよいお米は、やさしく洗うだけでも十分です。一方収穫してから一年以上が経過した古米は、酸化による風味の劣化がお米の表面に起こっているため、これを取り除くためにややしっかりと研ぐようにしましょう。
お米の研ぎ方
それでは、お米の研ぎ方の手順とポイントを見ていきます。
①洗う
お米は研ぐ前にまず軽く洗って表面のぬかや汚れを落とす必要があります。水を張った容器に、計量したお米を入れたら、軽く2~3回かき混ぜたらすぐに水を捨てます。
ポイント
この作業はスピードが命です。お米は水に触れた瞬間にすぐにそれを吸収しようとします。ですから最初の洗いをゆっくり行っていると、ぬかや汚れを含んだ水をお米が吸収してしまい、取り除くことができなくなってしまうので注意してください。
②研ぐ
容器の中の水がほぼ切れた状態でお米をとぎます。指を立てた状態でシャカシャカとかき混ぜるように洗います。
ポイント
手のひらでゴシゴシととぐとお米が割れてしまうので注意しましょう。水が入っていると米同士の摩擦が生じず、ぬかや汚れがきちんと落ちないことがあります。新米・古米など、お米に合わせた研ぎ方を行うことも大切です。
③すすぐ
容器に水を入れて、濁った研ぎ汁を流します。
ポイント
汚れた研ぎ汁は容器の底の方に溜まりやすいので、軽くかき混ぜてから捨てるようにしましょう。
通常は、研ぐ→すすぐの作業を2~3回繰り返せば、お米の汚れは十分に落とすことができます。水を入れてみて、白っぽく濁っているのがちょうどよい状態です。(水が白くなるのはお米のデンプンによるものであり、汚れではありません。)水が透明になるまで研いでしまうと、お米のおいしさまで逃げてしまうことになりますので、注意してください。
お米を研ぐときの「水」
お米を研ぐ際には、研ぎ方と同じように大切なものがもう一つあります。それが、お米を研ぐときに使う「水」です。
先にも述べたように、乾燥した状態のお米は、最初に触れた水を一気に吸収します。このときに使う水の味や香りがお米に吸収され、炊き上がりのご飯の味を大きく左右することになるのです。水にカルキ臭や生臭さなどがあると、ご飯の風味も損なわれてしまう恐れがあります。
おいしいご飯を楽しむためには、お米を研ぐときに使う水、特に最初にお米に触れさせる水には是非こだわっていただきたいと思います。具体的には、次のような水をお使いいただくのがおすすめです。
浄水
お米を研ぐときにもっとも手軽なのは水道水ですが、水道水のカルキ臭が気になる場合には、浄水器を使うことがおすすめです。浄水器を通した水は塩素や不純物が取り除かれており、お米本来の味わいや香りを損ねる心配がありません。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターには塩素が含まれていないので、お米を研ぐ際にも安心してお使いいただけます。ただしコストや手間がかかりますので、最初に洗うときの水だけミネラルウォーターにするといった工夫をするとよいと思います。
電解水素水
電解水素水(アルカリイオン水)とは、整水器と呼ばれる家庭用電解水生成器を用いて水道水を浄水し、さらに電気分解することによって生成された弱アルカリ性の水のことです。
こちらも清浄性が高く、使い勝手もよいので、毎日の洗米におすすめです。さらに電解水素水を浸水や炊飯に使うと、ふっくらと炊き上がるともいわれています。
まとめ
それでは最後に、お米の研ぎ方についてまとめておきます。
- お米に付着したぬかなどを落とすために「とぐ」必要があるが、とぎすぎによる風味の劣化に注意する
- 最初のすすぎは素早く行うことで、ぬか臭さや汚れをお米に吸収させないようにする
- とぐ際には手のひらでゴシゴシとこするのではなく、指を立てて軽くかきまぜるようにする
- とぐ、すすぐの作業を2~3回繰り返し、水が白っぽく濁るくらいで終わらせる
- お米をとぐ際には、清浄性の高い浄水やミネラルウォーター、電解水素水を使うのがおすすめ
<参考文献>
アルカリイオン整水器協議会
(https://www.3aaa.gr.jp/index.html)
「とれたて大百科 お米」JAグループ
(https://life.ja-group.jp/food/okome)
農林水産省近畿農政局
(https://www.maff.go.jp/kinki/kikaku/jikyuritu/attach/pdf/pt_asagohan-3.pdf )