賞味期限切れのミネラルウォーターは飲める?期限がある理由とは | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

賞味期限切れのミネラルウォーターは飲める?期限がある理由とは

ミネラルウォーターは、日常生活の飲料としてだけでなく、非常時の備蓄用としても活用されています。しかし、ミネラルウォーターにも賞味期限が設定されているため、保管する期間が長くなると期限切れになってしまうことも…。

せっかく購入したミネラルウォーターを、賞味期限が切れたからと捨ててしまうのはもったいない気がしますよね。

そこで本記事では、「そもそも賞味期限が切れたミネラルウォーターは飲めるのか?」という疑問に回答しつつ、ミネラルウォーターに賞味期限が設けられている理由についても解説していきます。

そもそも賞味期限とは

ミネラルウォーターの賞味期限について説明する前に、そもそも賞味期限がどのようなものであるかをおさらいしておきましょう。

賞味期限とは、製品が未開封で適切に保管されていた場合に「品質を保ちながら美味しく飲食できる期間」のことをいいます。賞味期限は通常、年月日が記載されていますが、スナック菓子やカップ麺、缶詰やペットボトル飲料のように賞味期限が長い食品の場合、年月だけが記載されていることもあります。

賞味期限と似た言葉に「消費期限」があります。消費期限は、製品が未開封で正しく保管されていた場合に「安全に飲食できる期間」のこと。肉やサラダ、ケーキやサンドイッチといった劣化しやすい食品に設定されていることが多い期限です。

ミネラルウォーターは食品の中でも比較的長期にわたって保存ができるので、賞味期限が設定されています。

ミネラルウォーターの賞味期限はどれくらい?

では、ミネラルウォーターに設定されている賞味期限はどれくらいなのでしょうか。
製品によって異なりますが、1.5~2Lのサイズで2年間、500mLのサイズで1年間程度で設定されていることが多いようです。

賞味期限が切れたらどうしてる?

もしミネラルウォーターの賞味期限が切れていたら一般的にはどうする人が多いのでしょうか。

2020年10月にミズラボ編集部が行った調査によると、「ミネラルウォーターの賞味期限が少しでも切れていたら捨てるか」という質問に対して、「はい」と回答した人の割合は23.7%でした。一方、「いいえ」と回答した人の割合は74.6%となっており、大部分の人が賞味期限の切れたミネラルウォーターをすぐには捨てていないことが分かりました。

捨てる人の意見

先ほどのアンケートで、「ミネラルウォーターの賞味期限が少しでも切れていたら捨てますか」という質問に「はい」と回答した人に理由を聞いてみると、「お腹を壊したくないから」や「新しい方が安心感があるから」、「腐っている可能性があるため」といった意見を聞くことができました。

捨てない人の意見

一方、同じ質問に「いいえ」と回答した人の意見を聞いてみると、「水なら少しくらい(賞味期限を)過ぎていても大丈夫」や「キャップを開けて空気に触れていなければ、そうそう腐ることはない」といった考えを持っていることが分かりました。

ミネラルウォーターの賞味期限は守るべき?

それでは、賞味期限が切れたミネラルウォーターを飲むことはできないのでしょうか。
結論からいうと、適切に保存されていれば、賞味期限を過ぎても飲めることがほとんどです。

ペットボトルのミネラルウォーターは、製造過程で加熱やろ過によって雑菌が取り除かれています。未開封で適切に保存されていれば雑菌が取り除かれたまま保たれているので、賞味期限をある程度過ぎたとしても健康上問題なく飲むことができるといえます。

消費者庁のホームページ上でも、飲料水は品質の変化が極めて少なく、賞味期限を超過しても一律に飲めなくなるものではないとされています。

また、飲料水は、賞味期限を超過しても一律に飲めなくなるものではありません。品質の変化が極めて少ないことから、一部のものについては期限表示(消費期限・賞味期限)の省略も可能としています。

引用:賞味期限の切れた災害備蓄食品について|消費者庁

ただし、ミネラルウォーターの中には加熱やろ過といった処理をおこなわずに製造されているものもあるので注意が必要です。そのようなミネラルウォーターの場合、賞味期限が切れてから期間が経過するほど品質の劣化が早くなるものもあるようです。

開封後は遅くとも2~3日以内に飲みきるほうがよい

未開封のまま適切な状態で保存されていたミネラルウォーターであれば、賞味期限が切れていても一定期間は品質を保つことができます。しかし、一度開封して外気に触れたミネラルウォーターの場合、遅くとも2~3日以内に飲みきるほうがよいとされています。ペットボトルに直接口をつけて飲んだときは、さらに劣化が早くなるので、なるべくその日のうちに飲み切ったほうがよいでしょう。

ミネラルウォーターに賞味期限があるのはなぜ?

雑菌を取り除く処理がされているものが多いミネラルウォーター。長期的に保管をしても劣化しにくいのであれば、賞味期限を設ける必要性は低いように思えます。

ここでは「なぜミネラルウォーターに賞味期限があるのか」について、詳しく説明します。

内容量が変わってしまうため

理由の1つに、ペットボトルのミネラルウォーターは長期間保存していると内容量が変わってしまうことが挙げられます。「未開封であれば内容量が変わらないのでは?」と思うかもしれませんが、ペットボトルは通気性のある容器なので、時間が経過するとともに少しずつ水分が蒸発して内容量が少なくなることがあるのです。

内容量が少なくなったとしても、品質が大幅に劣化するわけではありません。しかし、ペットボトルに記載されている内容量との差が広がりすぎると、計量法という法律に違反する可能性があります。法律に則った内容量を維持できるように、賞味期限が設定されているのです。

においが移ってしまうため

ペットボトルは通気性のある容器なので、においの強いものと一緒に保存しているとボトル本体や蓋ににおいが移ってしまうことがあります。場合によってはペットボトル内の水にまでにおいが移ることもあるため、できるだけにおいのない状態で飲んでもらえるように賞味期限が設定されています。

ミネラルウォーターの保管方法

ミネラルウォーターの品質を保ちつつ長期間保存するには、適切な保管方法を知っておくことが重要です。たとえ賞味期限内であったとしても、間違った保管方法をしているとミネラルウォーターを美味しく飲むことができない可能性があります。

未開封のミネラルウォーターであれば、常温保存で問題ありません。冷蔵庫に入れて保管する必要はありませんが、直射日光の当たる場所や極端に高温になる場所は避けましょう。先ほど説明したように、ペットボトルは通気性があるため、においの強い場所やものの近くに置かないようにすることもポイントです。

まとめ

ここでは、ミネラルウォーターの賞味期限や、正しい保管方法などについて説明しました。


美味しく安全にミネラルウォーターを飲むためには、なるべく賞味期限内に飲みきるのがおすすめです。しかし、適切な保管方法であれば、賞味期限が切れていてもほとんどの場合は飲むことが可能です。賞味期限が切れたミネラルウォーターをすぐに処分していたという方は、ここで説明した内容を参考にして、処分のタイミングを再検討してみてはいかがでしょうか。


参考文献

「ミネラルウォーターは、開封後どのくらいの期間で飲めばいいのですか?」サントリー

https://www.suntory.co.jp/customer/faq/001899.html

「消費者の部屋|消費者相談」農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2001/02.html