バナジウム水とはどんな水?その効果や適切な飲み方について解説
目次
バナジウム水とは
近年、通販サイトやスーパーで見かけることも多い「バナジウム水」。名前は知っていても、その他の水との違いについてはあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、バナジウム水に焦点を当てて、飲むメリットや適切な摂取量、注意点などについて解説します。
そもそもバナジウムとはどんな成分?
バナジウムは、海や湖、河川といった水に恵まれた場所や堆積岩層、土や植物などに存在している成分で、5大栄養素・ミネラルの一種です。
ミネラルは、カルシウムやマグネシウムなど健康維持に必要な「必須ミネラル」と、それ以外のミネラルに分けられます。
バナジウムは摂取することで人体にどのようなメリットがあるのかまだ完全には証明されていないため、必須ミネラルには分類されていません。しかし、さまざまな健康効果が期待されており、メディアや通販サイトでもバナジウム水への関心は高まっています。
また、バナジウムは、水だけでなく食品からも摂取することができる成分です。バナジウムが豊富に含まれている食品の例を表にまとめました。特に海藻類には海水や土壌に含まれるバナジウムが豊富に含まれています。
バナジウムが豊富に含まれている食品 |
海藻類(ひじき・こんぶ・焼き海苔など) 貝類(あさり・しじみなど)・牛乳・レタスなど |
バナジウム水の効果は?
先述したように、バナジウム水のもたらす作用についてはまだ研究段階で、人体に対して完全に実証されたものはありません。ここでは、具体的にどのような効果がバナジウム水に期待されているのか解説します。
バナジウム水は、摂取することによって血糖値の抑制や、脂質の代謝を促進してコレステロールの合成の防止、便秘の改善といった効果が期待されています。しかし、あくまで動物実験などの結果から効果が期待されているという段階なので、バナジウム水を飲んでも思うような効果が得られない可能性があることは留意しておきましょう。
バナジウムを摂取する量の上限はある?
さまざまな健康効果が期待されているバナジウムですが、摂取量の上限はあるのでしょうか。日本国内においてはバナジウム摂取量について明確な基準が定められてはいませんが、米国の食事摂取基準を見てみると、成人の摂取上限値は「1日当たり1.8mg以下」と設定されています。
なお、研究によれば「市販の高濃度バナジウム水を1日に2L飲んだとしても摂取上限値を大きく下回る」ということなので、大量に飲みすぎなければ、あまり心配する必要はないでしょう。
ちなみに、少々古いデータになりますが、2000年におこなわれた厚生労働省国民栄養調査結果によると、日本人1人当たりの平均バナジウム摂取量は、1日当たり27マイクログラム(=0.027mg)だったそうです。日常的に摂取する食品の種類や食べる量などにもよりますが、この数値も参考にしながらバナジウム水の摂取量を考えるのもよいでしょう。
バナジウム水を飲むときの注意点
バナジウム水を飲む場合、いくつか注意しておきたいことがあります。具体的な注意点としては以下の2つが挙げられます。
硬水のバナジウム水を飲むときはマグネシウムの摂りすぎに注意
他のミネラルウォーターと同様に、バナジウム水も軟水・硬水の2種類に分けられます。硬水はマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているため、飲みすぎてしまうとマグネシウムの過剰摂取になってしまう可能性があります。体質にもよりますが、マグネシウムを過剰に摂取すると下痢などの症状が出ることもあるので、気になる方は軟水のバナジウム水を選ぶとよいでしょう。
バナジウムが多く含まれる食品との食べ合わせに注意
海藻類や貝類などの食品にはバナジウムが多く含まれているため、バナジウム水と一緒に食べる際には少し注意が必要です。
バナジウムの過剰摂取によって健康上どのような影響が出るのかはまだ実証されていませんが、先に紹介したバナジウムが多く含まれる食品を頭に入れておき、1日の摂取量が1.8mgを超えないようにしましょう。
まとめ
ここでは、バナジウム水の特徴、バナジウムに期待されている効果や1日あたりの摂取量の上限、バナジウム水を飲む際の注意点などを説明しました。健康的な体を維持するために様々な効果が期待されるバナジウムですが、バランスを考えて摂取することが大切です。
ここで説明した内容を参考にして、自分に合う形でバナジウム水を活用していきましょう。
参考文献
吉田 宗弘 , 生田 剛(2007)「食品および飲料水中のバナジウム含量と日本人のバナジウム摂取量(予報)」
http://www.jtnrs.com/sym24/24_065.pdf
渋市 郁雄, 安江 正明, 加藤 克彦, 渡邉 泰雄(2006)「バナジウム含有天然水の糖尿病改善作用における考察」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/brte/17/1/17_1_11/_pdf
「『健康食品』の安全性・有効性情報」国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
https://hfnet.nibiohn.go.jp/