水分補給時の塩分の必要性 3つの疑問を解決!
水分補給の必要性は広く認識されるようになりましたが、塩分についてはどうでしょうか?最近では塩分の含まれた飴やドリンクなども販売されるようになり、塩分補給に対する意識も深まっているようです。
では、どのようなときに塩分の補給が必要なのでしょうか?
正しい補給の仕方は?
ここでは、水分補給と塩分に関する3つの疑問を解決します。
目次
塩分の補給が必要な場合とは?
運動時や熱中症対策などの水分補給時には、塩分も取った方がよいと言われることがあります。汗は、その大部分が水ですが、ごくわずかに塩分も含まれています。大量に汗をかいたときには、水分と共に体内の塩分も失われてしまいます。そんなときには、水分補給と共に塩分も必要になるのです。
とは言え、発汗がある場合には必ずしも塩分を補給しなければならないということではありません。塩分の補給が必要となるのは、あくまでも大量の発汗があった場合のみです。例えば、1時間以上の激しい運動を行う場合や、発汗量が体重の2%を超えるような場合などが目安です。
1時間に満たない軽い運動の場合などは、あくまでも水分(水)のみを補給していればよいとされています。むしろ日本人は食事からの塩分過剰摂取が問題視されていますから、摂りすぎにならないように注意する必要があります。
塩分が不足すると?
では、多量の発汗があった場合に塩分を補給しないとどうなるのでしょうか。体内の塩分(ナトリウム)が不足した状態で水分だけを補給すると、体内のナトリウム濃度は一層薄まります。
そこで、ナトリウム濃度を保つために、体は水分を尿として外に排出しようとします。
つまり水分補給をしたつもりが、体内の脱水状態を進行させてしまうことになるのです。
これにより、次のような脱水症や熱中症の症状が現れると言われています。
- めまいや失神
- 頭痛、吐き気、倦怠感
- 高体温 など
また、私たちの体内の塩分(ナトリウム)は、筋肉の運動や神経伝達に大きく関係しています。ですから、塩分が不足することにより、筋肉の痙攣や硬直のほか、神経障害によって命の危険が生じることもあると言われています。
正しい水分と塩分の補給の仕方とは?
それでは具体的な水分と塩分の補給の仕方を見ておきましょう。
まず、運動や高温下における水分と塩分の補給のためには、0.1~0.2%程度の食塩水を用いるとよいとされています。水と共に梅干しや塩昆布、塩飴などを摂るのもよいですが、塩分摂取量に気を付けましょう。
スポーツドリンクを利用する場合には、100mlあたりのナトリウム含有量が40~80mgのものが勧められます。ポーツドリンクの中には、ナトリウムの含有量がそれほど多くないものもありますので、塩分補給として利用する場合には表示を確認してください。
また、実際に発汗による脱水症や熱中症が進行している場合には、経口補水液を補給するのがよいと言われます。経口補水液は電解質と糖分が体液に近いバランスで配合された飲料で、スポーツドリンクに比べて塩分が多く、糖分は少なめになっています。体が脱水状態のときに素早く吸収できるため、“飲む点滴”として役立てられています。
まとめ
それでは最後に、塩分補給の必要性やポイントをまとめておきます。
- 多量の発汗によって塩分が失われるため、水分と共に塩分の補給も必要になることがある
- 体内の塩分が不足すると、脱水や筋肉の痙攣、神経障害などが生じる恐れがある
- 発汗時には、0.1~0.2%の食塩水、ナトリウム含有量40~80mg/100mlの飲み物などを選ぶようにする
<参考文献>
「水分摂取の方法 多量の発汗には塩分補給も!」公益財団法人日本バレーボール協会
(https://www.jva.or.jp/play/protect_heat/heat03.html)
「体調管理・医療情報」東京マラソン2020
(https://www.marathon.tokyo/about/medical/medical_health/index02.html)
「『熱中症対策』表示ガイドライン」一般社団法人全国清涼飲料連合会
(http://j-sda.or.jp/manufacturing/regulations_and_guidelines05.php)