乾燥肌には水分補給!乾燥を防ぐ上手な水分補給の仕方とは
目次
乾燥肌対策に水分補給が役立つ?
肌の悩みの中でも特に多く聞かれるのが、乾燥です。粉が吹いたようにカサカサしたり、かゆみが生じたり、症状もさまざまですよね。
みなさんは乾燥肌の予防や対策のためにどのようなことに気を付けていらっしゃいますか?化粧品などで毎日意識的にお肌のケアをされている方も多いでしょう。また、加湿器を使って空気の乾燥を防ぐという方法もあります。
これら外側からのケアはもちろん大切ですが、内側からの水分補給も忘れてはいけません。実は体内の水分不足が乾燥肌を引き起こしていることも多いのです。
この記事では、お肌が乾燥する原因や、乾燥肌を防ぐための上手な水分補給の仕方を見ていきます。
なぜお肌は乾燥するの?
そもそも、なぜお肌は乾燥してしまうのでしょうか?ここでは、慢性的な乾燥と、水分不足による一時的な乾燥の2つのタイプに分けて、原因や症状を解説します。
慢性的な乾燥肌の原因はバリア機能の低下
私たちの肌の表面は「皮脂」で覆われています。皮脂は、肌内部の水分が失われないためのバリア機能を果たすものです。しかし何らかの原因によって皮脂が失われると、水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥してしまうのです。
このような慢性的な乾燥状態は「乾皮症(かんぴしょう)」とも言われます。乾皮症では、肌のバリア機能が失われることで外部からの刺激を受けやすくなり、かゆみや痛みなどのトラブルが生じることもあります。
皮脂を減少させ、慢性的な乾燥を引き起こす原因としては、次のようなものが挙げられます。
・加齢
・入浴やプール
・石鹸の使い過ぎ
・生活習慣の乱れ
・ストレス
乾燥を防ぐためには、皮脂を落としすぎないように気を付けると共に、保湿剤などを使って肌を保護することが大切です。
水分不足によって起こる乾燥肌
慢性的な乾燥肌とは別に、水分不足によって一時的に生じる肌の乾燥というのもあります。バリア機能を担う皮脂自体は残っているものの、肌の水分そのものが不足してしまっている状態です。このタイプでは、肌がカサカサしたり、つっぱったような感じがするのが特徴です。
人間の体のおよそ60%を占める水分は、血液として体の中を巡ったり、細胞内液などで存在しています。体内の水分が不足すると、肌細胞に含まれる水分量も減少するのに加え、血液の循環が鈍くなって水分や栄養分が届けられなくなることで、肌が乾燥してしまうのです。
水分不足による一時的な乾燥は、どんな肌質の方でも起こる可能性があると言われています。たとえば空気が乾燥する冬は、目には見えなくても呼気や皮膚からの蒸発によって多くの水分が失われています。冬は夏に比べて喉の渇きを感じにくいため、知らないうちに水分不足に陥り、肌や唇、喉などが乾燥してしまうことも多いですよね。また、エアコンの効いた室内でも水分不足による乾燥が起こりやすくなります。
このような水分不足による乾燥は、内側から水分補給を行うことで予防・対策できます。
乾燥肌のための上手な水分補給の仕方は?
では、乾燥を防ぐためにはどのように水分補給を行えばよいのでしょうか?水分補給をするときの量や飲み物について見ていきます。
少量ずつこまめに飲む
水分不足を防ぐために、1日にどのくらいの量の水分補給をしたらいいかご存知ですか?尿や汗によって失われる水分量は、1日およそ2.5L。これを補うためには、飲み水からおよそ1.2Lを補給する必要があると言われています。水分補給をするときには、コップ一杯程度(150~200ml)の水を7~8回に分けて飲むよう心がけましょう。喉の渇きを感じるときにはすでに乾燥が進行しているサインですので、そうなる前に意識的に水分補給を行うことが大切です。
暑くて汗を多くかいたときだけではなく、空気が乾燥しているときにも水分の喪失は大きくなります。このようなときには、いつもよりもプラスして水分補給を行うことをおすすめします。
カフェインを多く含む飲み物はNG
水分補給の際の飲み物にも注意が必要です。
緑茶や紅茶、コーヒーといった飲み物には、利尿作用のあるカフェインが含まれています。水分補給のつもりでこれらの飲み物を摂取しても、結局体外へ排出されてしまっては意味がありませんよね。
乾燥を防ぐためには、水か、麦茶やルイボスティーなどのカフェインが含まれていないお茶を活用していただくのがおすすめです。
常温~温かい飲み物がおすすめ
もう一つ水分補給をするときに気を付けていただきたいのが、飲み物の温度です。冷たい飲み物は清涼感があっておいしいものですが、体を冷やしてしまうというデメリットがあります。体が冷えると血流が悪くなってしまい、お肌の乾燥にもよくありません。
水分補給には、常温程度の飲み物がおすすめです。寒い時期には、白湯や温かいハーブティー(ノンカフェインのもの)などを活用していただくと、体も温まり、血流もよくなります。
乾燥肌には外側からの水分補給も大切!
これまで、内側から水分補給をすることが乾燥予防に役立つということを見てきましたが、もちろんそれだけで肌の乾燥を防ぐことができるわけではありません。水を飲めば飲むほど肌が潤うというのも間違いです。大量の水を飲んでも吸収しきれない分はすぐに排出されてしまいますし、胃腸にも負担がかかりますので注意してください。
乾燥を防ぐためには、体の内側と外側の両方からしっかりと水分補給をすることが大切です。保湿成分の入った化粧品で肌をケアしたり、加湿器などで空気の乾燥を防ぐことも意識しながら、乾燥対策をしていただきたいと思います。
まとめ
今回は、肌の乾燥と水分補給の関係について見てきました。肌の乾燥の中には、体内の水分不足が原因になっているものもあります。空気が乾燥しやすい冬場などは、喉の渇きを感じなくても意識的に水分補給をするように心がけてください。飲み物の種類や温度にも気を付けて、内側からもしっかりと乾燥対策をしていただきたいと思います。
参考文献
MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
「冬のカラダは水分不足」大塚製薬
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/dehydration/prevent-yourself-from-dehydration/winter/
『健康のため水を飲もう』推進運動」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html