今話題の「腸活」とは?そのメリットやおすすめの食べ物を解説!
目次
「腸活」とは?
近年、健康や美容を意識する方にとって「腸活」が重要なキーワードのひとつとなっています。
腸活とは簡単に言うと、腸の環境を整えて、働きを良くすることです。私たちの腸の中には大きく分けて3種類の腸内細菌が生息し、互いに勢力争いを行っています。
善玉菌・・・・ビフィズス菌や乳酸菌など、体にとって良い働きをする菌 悪玉菌・・・・ウェルシュ菌など、体に良くない影響を及ぼす菌 日和見菌・・・どちらにも属さず、優勢になったほうに味方して働く菌 |
善玉菌が悪玉菌よりも優勢だと腸は正常に機能しますが、悪玉菌が優勢になると、腸の働きが乱れてさまざまなトラブルが起こります。
腸内細菌のバランスは毎日の食事や運動習慣、ストレスなどによって大きく左右されます。そこで、生活習慣を見直して腸の働きを良くしようという「腸活」に取り組む方が増えているのです。
この記事では、腸活を行うメリットや、腸活におすすめの食べ物などを詳しく解説します。
腸活のメリットとは?
なぜ今、腸活に取り組む人が増えているのでしょうか。それは、腸が健康状態に大きく関係していることが明らかになってきたからです。
腸が健康になると嬉しいことがたくさんあります。
お腹の調子を整える
下痢や便秘といったお腹のトラブルには、腸内での悪玉菌の増加が原因になっていることが多いと言われます。さらに悪玉菌が発生する有害物質は血液に乗って全身を巡り、肌荒れや口内炎、口臭や体臭を引き起こすこともあります。
善玉菌が優勢になれば、便を形成・運搬するという腸の働きが正常化し、お通じが改善されて体調や肌の調子も整います。健康はもちろん美容のためにも腸活はとても重要なのです。
腸内環境を良くして免疫力をアップ!
免疫とは、体内に侵入してきたウイルスなどの異物を攻撃し、増殖を防いだり、悪い働きをさせないようにするものです。私たちの体内にある免疫細胞のおよそ7割は腸に存在しています。
腸内で悪玉菌が増加すると免疫機能も低下し、風邪や感染症、アレルギーなどにかかりやすくなると言われています。つまり腸内環境を整えることが免疫力の向上にもつながっていくのです。
腸活におすすめの食べ物は?
腸活にはさまざまな方法がありますが、特に大切なのが毎日の食事です。
腸内環境を整えるためには、生きた善玉菌である「プロバイオティクス」と、善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」の両方を摂取することが大切だと言われています。また、この2つを組み合わせることを「シンバイオティクス」とも言います。
それぞれどのようなもので、どのような食べ物に含まれているのかを詳しく見ていきましょう。
プロバイオティクスとは?
プロバイオティクスは、1989年に「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」として定義されました。簡単に言うと、生きた善玉菌そのものということです。プロバイオティクスは発酵食品やサプリメント、整腸剤などに含まれることが知られていますが、腸内に長く留まることはできないため、継続的にとることが大切だと言われています。
具体的には次のような食べ物がおすすめです。
ヨーグルト
牛の乳を乳酸菌で発酵させて作ったヨーグルトは、腸活において手軽にとりいれられる食べ物のひとつです。通常乳酸菌などの善玉菌は腸まで届く前に胃酸によって死んでしまうと言われていますが、最近では胃酸に対する耐性を持った乳酸菌やビフィズス菌を使用して作られたヨーグルトも増えており注目を集めています。
腸活のためにはヨーグルトの食べ方にも工夫が必要です。朝起きてすぐなど胃が空っぽの状態でヨーグルトを食べると、胃酸が多く分泌されてせっかくの菌が死んでしまいます。ヨーグルトを食べるタイミングは食後や食間がおすすめです。また、腸活の効果を実感しやすくするため、なるべく同じ種類のヨーグルトを食べ続けた方が良いと言われています。もし効果が感じられない場合は違う種類のヨーグルトを試してみるなどして、自分に合うものを選びましょう。さらに食物繊維を多く含む果物やオリゴ糖とヨーグルトを一緒にとることで、手軽にシンバイオティクスも実現できます。
納豆
大豆を発酵させて納豆をつくるために使われる納豆菌は、善玉菌を活性化させ、悪玉菌の増殖を抑えることが知られています。納豆菌は乾燥や熱にも強く、強酸性の胃液によっても死滅させられないことがわかっています。
また、納豆の原料である大豆には善玉菌のエサになる食物繊維が豊富に含まれるという特徴もあります。水溶性食物繊維が含まれるメカブやオクラ、とろろなどと組み合わせて食べればさらに腸内環境の改善に役立ちます。
漬物
日本伝統の食品である漬物も腸活に役立つ食べ物のひとつです。漬物は野菜やきのこなどを乳酸菌発酵させることで保存性を高めたものであり、継続的に食べることで腸内の善玉菌を増やすのに役立ちます。さらに野菜に含まれる食物繊維も一緒にとることができるため、シンバイオティクスの面からも注目されています。
韓国の漬物であるキムチも腸内環境の改善に役立つ食べ物として知られています。ただし日本で生産されているキムチのなかには非発酵タイプもありますので、選ぶ際には確認してください。
なお、漬物やキムチには塩分が多く含まれているため、適量を食べるようにしましょう。
プレバイオティクスとは?
プレバイオティクスとは、腸内の善玉菌の増殖や活性化に役立つ難消化性食品成分のことです。代表的なものとして、オリゴ糖と食物繊維がよく知られています。
オリゴ糖はたまねぎやアスパラガス、バナナ、大豆などに含まれるほか、最近では健康食品からも手軽に摂取できるようになっています。ただし大量にとりすぎるとお腹を壊すこともあるため、少しずつ慣らしていくことが大切です。
食物繊維は元々日本人の食事に豊富に含まれていた成分ですが、最近では摂取不足が懸念されるようになっています。厚生労働省によれば、今よりも1日あたり3~4gプラスして摂取することが望ましいということです。食物繊維は肉や魚にはほとんど含まれず、植物性食品に多く含まれます。具体的には次のような食品を積極的にとりましょう。
きのこ
きのこには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維が多く含まれています。焼き物や煮物、汁物、鍋など、どんな料理でもよく合い、毎日の食事に手軽に取り入れられる点が魅力です。きのこは低カロリーながらもさまざまな栄養素が豊富に含まれているため、ダイエット中の方にもおすすめです。
根菜
野菜のなかでも、ごぼうやれんこん、大根といった根菜には水に溶けない不溶性食物繊維が多く含まれます。不溶性食物繊維は便のカサを増したり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進することで、排便を促す効果があると言われています。食べ応えもあるので料理のボリュームアップにも役立ちます。食物繊維が豊富な分食感が硬めですが、スープや煮物にして柔らかく煮込めばご高齢の方や小さな子供でも食べやすくなります。さらに栄養も余すところなくとり入れられるのでおすすめです。
海藻
きのこ同様水溶性植物が多く含まれることで知られているのが、海藻です。乾燥わかめや昆布を常備しておけば、毎日の料理に手軽にプラスすることができます。プロバイオティクスである納豆や同じく食物繊維が豊富なきのこなどと組み合わせて、おいしく腸活しましょう。
麦ごはん
野菜やきのこを食事に取り入れるのが難しいという場合には、主食から食物繊維をとるよう心がけましょう。たとえばいつもの白米に麦を混ぜて炊くことで、食物繊維の摂取量を増やすことができます。まずは米一~二合に対して麦50gくらいの割合ではじめるのがおすすめです。プチプチした食感が特徴のもち麦や、とろろご飯と相性の良い押麦などから、お好みの麦を見つけて楽しんでみてください。
麦ごはんのほか玄米などからも食物繊維を摂取できます。
腸活にウォーターヘルスケアという新習慣
食べ物だけではなく、毎日使うお水にも気を遣うことが大切です。近年、「電解水素水」を活用した“ウォーターヘルスケア”が腸活の取り組みとして注目されています。電解水素水とは、胃腸症状改善の効果が認められている整水器から生成されるアルカリ性で水素を含んだ水のことです。毎日使う水を電解水素水に変えるだけで手軽に腸活が継続できるので、とてもおすすめです。
まとめ
今回は、今注目を集めている「腸活」のメリットやおすすめの食べ物について見てきました。腸の環境を整えることは、免疫力をアップして毎日を生き生きと過ごすことにもつながります。毎日の食事のなかにプロバイオティクスとプレバイオティクスを取り入れて上手に腸活しましょう。また、水分補給をしながら手軽に腸活もできる整水器もおすすめです。
参考文献
公益財団法人腸内細菌学会/(旧)日本ビフィズス菌センター
https://bifidus-fund.jp/index.shtml
「納豆菌」全国納豆協同組合連合会
http://www.natto.or.jp/kenkou/nattokin/nat09.html
「食物繊維の必要性と健康」e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html