快便を目指そう!排便の仕組みと理想的な便の状態

近年、便秘や下痢など、スムーズな排便ができずに悩む人が増えています。食物繊維を摂取したり、運動を習慣にすることも大切ですが、その前に知っておきたいのが「排便のメカニズム」と「理想的な便の状態」です。
これは、スポーツに取り組む際にルールを理解し、目標となる記録やスコアを把握するのと同じようなもの。健やかな排便を目指すためには、まず「どのように便が作られ、排出されるのか」を理解し、「理想的な便とはどのようなものか」を知ることが重要です。さらに、こうした知識を活かして排便を管理するには、アプリの活用も効果的です。
今回は、便に関する基礎知識と、排便管理に役立つアプリをご紹介します。
目次
排便のメカニズムとは?
私たちが口にしたものは、胃や小腸、大腸を通る間に消化・吸収され、残りが便として排出されます。この「食事~排便」に至るまでの経路やメカニズムを知ることで、排便に関する改善方法や、その他の健康情報が理解しやすくなるでしょう。
消化と吸収
体内に取り込まれた食べ物は、栄養素として吸収しやすい状態に「消化」されます。その出発点となるのが、口腔での咀嚼(口の中で食べ物を噛み砕くこと)です。歯で食べ物を細かく砕くと同時に、唾液と混ぜ合わせて消化しやすい形にします。噛み砕かれた食べ物は食道を通って胃へと運ばれ、胃の蠕動運動 [※1]と胃液によって、おかゆのような状態にされます。
おかゆのような状態になった食べ物が、次に通るのは小腸です。小腸では、腸液や膵液、胆汁によって、本格的な消化が進められます。こうして分解されたものが小腸から吸収され、その残りが大腸へと運ばれていくのです。
※1. 蠕動運動(ぜんどううんどう)・・・臓器をくり返し収縮させて、食べたものを次の臓器に送り出そうとする運動
便の形成
小腸の末端から続いている臓器は大腸です。大腸の大まかな構成は、小腸の周りを囲むような形で存在する「結腸」と、肛門の20cmほど手前(奥)から縦向きに存在する「直腸」からなります。
大腸へと運ばれる内容物のうち、ほとんどは水分が占めています。大腸はその内容物の水分を吸収し、残りのカスから便を形成し、それを直腸(肛門の手前)へと運ぶ機能を持っています。そして、その過程では大腸でも蠕動運動が起き、便は押し出されるようにして直腸へと運ばれていきます。
大腸での蠕動運動が起きるタイミングは、主にリラックス時と食後ですが、より強く起きるのは食後です。食事を摂って空っぽの胃の中に食べ物が入ってくると、大腸がそれに反応し、蠕動運動が活性化されるのです(胃・結腸反射)。特に、朝は体内時計においても腸が活発に動き出す時間帯ですので、朝食後には大腸の中に溜まっている便を、一気に直腸まで送り出す強い蠕動運動が起きやすいのです(大蠕動)。
排泄
結腸から直腸に便が運ばれると、脊髄を通して脳に信号が送られ、便意が起きます(排便反射)。
肛門には、「内肛門括約筋」と「外肛門括約筋」とがあり[※]、便意を感じた時点では内肛門括約筋は無意識に緩みますが、外肛門括約筋は意識的に閉じられています。その後、トイレで排便の態勢が整い、便を出そうといきむことによって、はじめて外肛門括約筋が緩んで便が排出されるのです。
※. 肛門括約筋は二重構造になっており、内側の内肛門括約筋は、自分の意思では動かすことができません。一方、肛門に近い外側の外肛門括約筋は、自分の意思で閉じたり緩めたりすることができます。
理想的な便とは?
トイレで出した便が「良い便」か「悪い便」かを見分けるには、いくつかのポイントがあります。色や形、硬さ、臭いなど、さまざまな要素をチェックすることで、腸内環境の状態を知る手がかりになります。
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
色
理想的な色は「黄褐色(黄色がかった褐色)」です。便には、胆汁に含まれるビリルビンという黄色の色素が含まれているため、色が茶褐色になるのが普通です。さらに、ビフィズス菌が腸内に多い場合には、より黄色が強くなり、黄褐色になると言われています。一方、黒色に近い便は、腸内に悪玉菌が多いことを示しています。
臭い
良い便の臭いは、それほどきつくありません。ビフィズス菌が多い場合には酸臭が出ますが、それは発酵臭であり、顔をしかめるような悪臭ではありません。しかし、それ以外の強烈な臭いは腐敗臭によるもので、腸内の悪玉菌が多い証拠です。ちなみに、悪玉菌の数は加齢とともに増加する傾向があるため、それにともなって、便の腐敗臭もきつくなっていきます。
硬さ
硬いかどうかは主に水分量で決まります。理想的な水分量は80%で、硬さでいうと「練り歯磨き」くらいです [※]。ただし、実際に触って確認することはできないので、便器の封水(水が溜まっている部分)に便が落ちた時にほぐれて浮くかどうか、また、水洗した時にパッと散るかどうかで判断してください。
※. 便は80%が水分で、固形分は20%です。固形分20%のおおよその内訳は「食べカス・はがれた腸壁・腸内細菌」がそれぞれ1/3ずつです。
形
太さはバナナくらいで、できれば長く1本で出るのが理想です。しかし、途中で切れていない1本の長い便は、腸の調子が相当よくなければ、なかなか見られません。普通は途中でぶつぶつと切れます。ちなみに、便の太さは加齢とともに細くなる傾向があります。これは腸管運動が低下してきた現れで、「老人性賽便:ろうじんせいさいべん」と呼ばれます。
重さ
理想の重さは、一日の合計で200~300gです(バナナ2~3本ほど)。便一つ当たりの重さが約100gなので、それが3本でればよいということになります。重さの計測は、排便前後の体重比較でおおよそ分かります。ただし、排便時には尿も出ますので、その分は差し引いて計算してください(1回の尿量は約300g)。
回数
排便回数は個人差があり、一概に言うことはできませんが、一般的には1日1回が理想です。また、2~3日に1回でも腹痛などの症状が出ていないなら、問題はないようです。反対に排便回数が多い場合でも、1日3回程度の排便であれば正常の範囲内だと考えられています。
ウンログで排便管理
いま「ウンログ」というアプリが、とても人気を集めています。このアプリは、手軽に楽しく排便の記録をとることができるアプリで、2023年の6月時点で累計100万ダウンロードを突破しています。また、anan・Oggi・美ST・美的・日経ヘルス・NHK「あさイチ」など、さまざまなメディアでも紹介されており、腸活業界では注目度の高いアプリです。
このアプリのメイン機能は、便の「かたち、色、量、臭い、すっきり感」をデータ記録として残すことです。タップ操作をしていくだけで、簡単に詳細な記録が残せるため、ユーザーからは「分かりやすい」と好評です。
しかし、ユーザーから支持を得ている点は、それだけではありません。たとえば、記録した便の状態を総合的に評価し、「スコア(数値)」として見ることもできます。これにより、「良い便、悪い便」の指標が定まるため、現在の健康状態を比較・判断しやすくなります。
また、そのスコアを後から期間レポートとして見直すこともできるため、「どの時期・どのタイミング」で便の状態が悪くなったのかが一目で分かり、原因の特定に役立ちます。
さらに、出した便の記録だけでなく、食べたものの記録もタップ操作で簡単にとることができます。とった記録は、後からさかのぼって一覧として確認することができ、「何を食べた後に便の状態が良くなったのか」や、「食べ始めてどれくらいで効果が現れたのか」が分かるため、自分と相性の良い食べ物を見つけるのにとても役立つのです。
他にも、自分に合った腸活アイテムの紹介をしてもらえたり、ウンログ仲間とトーク(個人情報は完全非公開)ができたりと、ユニークな機能がたくさんあります(中には、「ウンチップ」と呼ばれるポイント機能もあるようです)。また、1台のスマートフォンで「最大5アカウント」まで利用ができるため、お子様の排便記録を一緒にとりたい方にもオススメです。
快便にオススメの水
快便のためにはバランスの良い食事や適度な運動に加え、「こまめな水分補給」を行うことも大切です。水分補給には、便の水分量を増やして排便をスムーズにしたり、腸の運動を促進する効果があると言われています。
飲むお水は、浄水や天然水でも構いませんが、日頃から胃腸のケアに取り組まれている方には、電解水素水というお水がオススメです。電解水素水とは、水素を含んだアルカリ性のお水のことです。医療認可を取得している整水器で生成された電解水素水は「胃腸症状の改善効果」が認められています。そのため、単なる水分補給はもちろんのこと、胃腸の調子を整えることもできるのです。
快便のために便の水分量を増やして排便をスムーズにしたり、腸の運動を促進することも大切ですが、それにはまず、腸の健康が求められます。電解水素水は、腸の健康づくりをサポートするお水ですので、胃腸の調子が良くない方は一度試されてみてはいかがでしょうか。
さいごに
腸内常在菌研究の世界的権威である辨野義己(べんのよしみ)先生の著書「大便通」には、「便は自分でデザインするものであり、あなたはそのデザイナーです」という内容の記述があります。そこには、「便に対してもっと責任を持ちましょう」という意味と、「あなた次第で便の状態はいくらでも変えられる」という意味の両方が含まれているように思われます。
便をしっかりと観察し、改善を通じてデザインしていくことは、健康をデザインすることに直結し、ひいては人生をデザインしていくことにも繋がるはずです。
「便のデザイン = 人生のデザイン」
このように考えると、排便管理に対して、より積極的に取り組めるようになるかもしれません。
- 監修者のご紹介 -
参考文献
「消化・吸収のメカニズム」排泄ケアナビ|ユニ・チャーム
https://www.carenavi.jp/ja/jissen/ben_care/shouka/shouka_01.html
「排泄のメカニズム」建設コンサルタンツ協会
https://www.jcca.or.jp/kaishi/271/271_toku2.pdf
「6.便でわかる体の状態」一般社団法人愛知県薬剤師会
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3543.html
「うんちっておもしろい」神奈川県衛生研究所
https://www.pref.kanagawa.jp/sys/eiken/014_kids/14_infection_013.htm
中外製薬「十二指腸|からだとくすりのはなし」
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada014.html
日本トイレ研究所「中学生の便秘予防に朝食と運動を!」
https://toilet-magazine.jp/child/2607
国立がん研究センター「胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)について」
https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/print.html
PR TIMES「ウンログ株式会社のプレスリリース|腸活サポートアプリ「ウンログ」が100万DLを突破!豪華商品が当たるキャンペーンを6月26日よりスタート」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000057086.html
App Store「ウンログ-うんち記録と腸活で健康管理と便秘対策」
https://apps.apple.com/jp/app/ウンログ-うんち記録と腸活で健康管理と便秘対策/id539493829
ウンログ ヘルプセンター「一つのスマートフォンで子供と自分のうんち記録をしたい」
https://help.unlog.me/よくある質問と答え/okkvVUUFyy3LbssR8k3j99/一つのスマートフォンで子供と自分のうんち記録をしたい/8NvhGMAuxdnUXJSGVQiiC2
書籍「大便通」辨野義己 著
書籍「大便革命」辨野義己 著
書籍「大便力」辨野義己 著
雑誌「週刊文春(2020年2月27日号)」文藝春秋 出版
