「月曜断食」がおすすめな理由 正しいやり方とポイントを解説!
「ダイエットはルールが多すぎて面倒くさい」
「ダイエットは我慢ばかりなので続かない」
「ダイエットをすると決まって体調が悪くなる」
今回はこのような方々に「月曜断食」というダイエット法をご紹介したいと思います。
月曜断食は、他のダイエット法や断食法と比べて、取り組みやすく継続しやすいというメリットがあります。
また、単なる減量法とは異なり、体質改善に重点を置いている健康法であるという点も特徴として挙げられます。
「簡単で継続しやすく、体質改善しながら減量することができる…」
少々都合がよすぎるようにも思えますが、月曜断食を経験した人の多くはしっかりとした成果を出しているようです。
さっそく月曜断食のやり方やポイントなどを詳しく学んでいき、明日からの体質改善に役立てましょう。
目次
月曜断食とは?
月曜断食とは、鍼灸師の関口賢氏が考案した比較的新しい断食メソッドで、大まかなやり方は一週間のうち月曜日だけ食事をとらず、水のみで過ごす方法になります。
通常の「断食」により期待できる効果については、以下のようなものが挙げられます。
・免疫力が上がる
・長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)のスイッチが入る
・体がケトン体回路に切り替わり、効率よく痩せられる
・ホルモン分泌量や脳内α波が増えて精神が安定する
こういった素晴らしい効果が期待できる断食ですが、実際に行うには専門家の付き添いや、治療院(専用施設)への来院、そして最低でも3日間という日数を確保する必要があるため、誰でも簡単に行えるわけではありません。
そこで関口氏は「お金をかけずに自宅で安全かつ手軽に行える断食法」を追求し、最終的に考案されたのが「月曜断食」というわけです。
月曜断食は「断食」という名称がついていることから、食事による摂取カロリーを少なくして痩せる、いわゆる「減量法」と混同されることがありますが、月曜断食は「痩せる」ことだけを目的にしているわけではありません。月曜断食の本来の目的は「体質改善」にあるため、減量法というよりも「健康法」といった方がよいでしょう。
実際のところ、月曜断食によって確かに体重や体脂肪は少なくなりますが、そのような現象は、体が正しく機能して健康な状態になることによって得られる副産物に過ぎないのです。
月曜断食では、体の不調の主な原因は「食べ過ぎ」にあると考えています。
必要以上にたくさん食べ、矢継ぎ早に食べ、お腹が減ってなくても食べ、寝る前にも食べる・・・
人は、体で使うエネルギーの約4割を消化活動に充てていると言われていますので、このような食生活を送っていては体がだるくなるのも当然です。また、傷ついた細胞の修復や回復といった、本来もっとも重視しなければならない作業に十分なエネルギーを充てることができないため、やはり不調になるのは当然なのです。
食べ過ぎによって体が不調になる原因は、これだけではありません。
例えば、食べ過ぎによって胃での消化が追いつかなくなると、胃の働きが弱まり、胃の中に食べ物が長く滞留することになります。そして、その滞留物が体温によって温められて腐敗し、その腐敗物から出る毒素が体中を巡って不調になるパターンが挙げられます。また、食べ物が胃から腸まで詰まってくると、腸の働きも弱くなり、栄養をうまく吸収できなくなります。
その結果、細胞に十分な栄養が行きわたらず、不調になるパターンもあります。
いずれにしても、いったん食べ物の流入を遮断して、胃腸を休ませてあげる必要があるのです。
そうすることによって、体調が改善し、さまざまな症状も緩和されると考えられています。
・排泄能力が高まる
・消化・吸収能力が高まる
・栄養価の高い良質な血液が全身をめぐる
・代謝機能がアップする
・痩せる(脂質異常症状、内臓脂肪型肥満の改善)
・肌質&髪質が良くなる(アンチエイジング)
・月経前症候群(PMS)や生理痛、生理不順が改善する
・冷え、肩こり、むくみが改善する
・めまい、耳鳴り、立ちくらみが改善する
・腸内の善玉菌が増え、幸せホルモン「セロトニン」が分泌される
・メンタルが安定する(不安、イライラ、鬱)
・寝つき、寝起きが良くなる
・免疫力が高まり、花粉症などのアレルギー症状が改善される
このように月曜断食はたくさんの効果が期待でき、なおかつ簡単ということもあって、男女ともに幅広い年齢層から人気を集めています。
月曜断食がおすすめな理由
たくさんある断食方法の中でも、なぜ月曜断食は人気があるのでしょうか。
月曜断食の主な特長は以下の通りです。
シンプルでわかりやすいメソッド
月曜断食にはいくつかのルールがありますが、本格的な断食に比べると圧倒的にわかりやすくシンプルなため、初めて行う人にとってはハードルが低いという魅力があります。
どのような習慣も初動にはストレスがかかるものですが、月曜断食はその初動ストレスをかなり軽減したシンプルで分かりやすいメソッドといえるでしょう。
取り組みやすい日数
本来の本格的な断食は短くても三日ほどの日数が必要であり、事前の準備期や事後の回復期(復食期)も含めると10日前後の日数が必要となるため、忙しいビジネスパーソンにとってはなかなか都合をつけることが難しいものでした。しかし、月曜断食は一週間のうち一日だけを「不食日(断食日)」とする方法なので、日数の都合がつけやすく、ビジネスパーソンでも取り組みやすい形になっています。
また「不食日(断食日)」は、必ず月曜日にしなければいけないわけではありませんので、その点も多くの人が取り組みやすいポイントです。例えば、勤務日である月曜日に何も食べずにいると、なんとなく落ち着かないと思われる人は、「不食日(断食日)」を休日である日曜日などに設定してもよいのです。
体質改善に主眼を置いている
前述の通り、月曜断食は「体質改善」に主眼を置いたメソッドです。一時的に体重を減らす、いわゆる「減量法」ではなく、胃腸を休めて本来の機能を取り戻し、代謝を高めた上で痩せやすい体を手に入れる「健康法」なのです。そのため、食事制限ダイエットと比べてリバウンドなどの副作用的な現象が起きにくいと言われています。
食べ物の制限が少ない
月曜断食では、食べ物の制限がそれほど厳しくありません。
もちろん「不食日(断食日)」には完全に何も食べないようにしなければなりませんが、それ以外の日においては、条件つきでアルコールや炭水化物なども飲食することができます。
つまり、食べ物の制限を「必要最低限」に抑えることによって、イライラしたり、挫折したりすることが少なくなるようにうまく設計されているのです。
お酒や特定の料理をどうしてもやめることができない、そんな人にも月曜断食はおすすめです。
リカバリーできる仕組みがある
「誘惑に負けて不食日についつい食べてしまった…」
「上司や取引先との会食で食べざるを得なかった…」
大抵の場合、このタイミングで自己嫌悪に陥ってダイエットを挫折しがちですが、月曜断食はこういったケースにもきちんと対応してくれます。
月曜断食では「当日の摂食や過食は、翌日の夕食を抜いて調整する(夜断食)」というリカバリーシステムがあるため、仮にイレギュラーな食事をしてしまったとしても自己嫌悪に陥って挫折することなく、継続的に取り組むことができるのです。
月曜断食のやり方(ベーシックメニュー)
月曜断食は、一週間を「不食日(胃腸を休ませる日)」、「良食日(体が喜ぶ栄養を与える日)」、「美食日(心を満足させる日)」の3つに分け、それらをローテーションさせながら4週間過ごします。
この4週間を1セットとして行うことにより、治療院で行う「3日間の断食」+「4週間の回復食」と同等の効果が期待できます。
・月曜 ── 不食日
・火曜 ── 良食日
・水曜 ── 良食日
・木曜 ── 良食日
・金曜 ── 良食日
・土曜 ── 美食日
・日曜 ── 美食日
不食日、良食日、美食日において食べられるものは以下の通りです。
不食日 | (朝食)── 「水」以外は何も飲食しない (昼食)── 「水」以外は何も飲食しない (夕食)── 「水」以外は何も飲食しない |
良食日 | (朝食)── 旬の果物とヨーグルト (昼食)── おかずのみ(肉や魚もOK)[※1] (夕食)── 野菜料理(野菜スープ・サラダ・蒸し野菜など)、アルコールもOK [※2] |
美食日 | (朝食)── 好きなものを食べてよい(糖質OK、肉や魚もOK) (昼食)── 好きなものを食べてよい(糖質OK、肉や魚もOK) (夕食)── 好きなものを食べてよい(糖質OK、肉や魚もOK)、アルコールもOK |
※1.火曜日は不食日明けの為、たんぱく質を摂取する際には豆腐などの消化によい食べ物を選んで下さい。
※2.火曜日は不食日明けの為、アルコールの摂取は他の良食日と比べて控えめにして下さい。
上記の方法(ベーシックメニュー)で月曜断食を4週間行うと、弱っていた胃腸の働きが改善され、それに合わせて代謝も正常な状態に戻ると言われています。
人によっては、この時点で目標としていた体重や体脂肪率をクリアしている人もいるかもしれません。そういった方は、ここで月曜断食を終了して通常通りの食事に戻しても構いません。
しかし通常通りの食事に戻すと、気のゆるみからすぐに暴飲暴食に走ってしまいそうだと心配される方や、目標数値まであと一歩という方、また、よりハードに月曜断食を継続して目標数値をクリアしたいと思われる方などには、タイプに応じてそれぞれのコースが用意されているようです。
・「体重維持型メニュー」への切り替え
・「ベーシックメニュー」の継続
・「上級者メニュー」への切り替え
これらについては、関口氏の書籍《「究極の健康法」でみるみる痩せる!月曜断食:文芸春秋》でより詳しく解説されていますので、ぜひそちらをご覧下さい。
月曜断食を行う際のポイント
月曜断食はとてもシンプルな断食メソッドではありますが、行うにあたってはいくつかのポイントがあります。
それぞれどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
水は必ず飲むこと
美しく健康的に痩せるためには、水分摂取が欠かせません。
月曜断食中は、たとえ不食日であったとしても必ず水分摂取を行ってください。[※]
水分摂取に適している飲み物は「水」ですが、冷たいものは内臓を冷やし胃の活動も低下してしまいますので、できれば「常温水」や「白湯(さゆ)」を飲むとよいでしょう。
胃腸をサポートするという観点からは、胃腸症状の改善に効果が認められている「電解水素水」を飲用することが最適です。
1日あたりの推奨量は「1.5~2リットル」で、その量を内臓に負担をかけないよう何回かに分けて「チビチビ」飲むことがポイントです(1回に飲む量の目安はコップ1杯程度)。
1.5~2リットルという量は、意識しないとなかなか飲み切ることはできないので、水差しなどをそばに置いておくなど、なんらかの工夫をしておくのもよいでしょう。
「コーヒー・紅茶・緑茶」は、断食日以外の飲用においては問題ありませんが、これらの飲料はカフェインの刺激で空腹感を覚えやすくなると言われていますので、良食日や美食日であってもできれば避けた方がよいでしょう。
また、不食日には低血糖状態でふらつきを感じる方がいるかもしれませんが、そういった場合には2口ほどのスポーツドリンクを噛むようにして飲みましょう。
※.腎機能の働きが悪い方や、腎臓の病気を患っている方の水分摂取に関しては、主治医の指示に従って下さい。
食べる量はこぶし2個分
月曜断食では、過食によって肥大した胃を元の正常なサイズに戻すことも狙いとしています。
胃を正常なサイズに戻すことによって、適正な食事量でも十分に満足できるような体に戻すのです。
胃の正常なサイズは、その人の「こぶし2個分」くらいにあたりますので、適正な食事量も大体それくらいになります。
良食日~美食日の食事では、咀嚼(そしゃく)した後の食べ物のサイズが「こぶし2個分」より大きくならないように気をつけて下さい。あらかじめ、こぶし2つが収まる程度の食器を利用して食事をとるのもよいかもしれません。
空腹状態で寝ること
人の体は「睡眠中」に修復・回復し、「睡眠中」に痩せていきます。
体の状態を正常に戻し、健康的に脂肪を落としていくには「良質な睡眠」が欠かせないのです。たとえ月曜断食によって食事の管理を徹底していたとしても、睡眠をおろそかにしていては良い結果は得られません。
まずは「入眠前にスマホなどから発せられる強い光を見続けない」、「22時には入眠する」、「7時間前後の睡眠時間を確保する」、「毎日決まった時間に起床する」といった基本的なことを見直していくことが大切です。
さらに月曜断食では、そういった基本的なことに加えて「空腹状態で寝る」ということも重要視しています。
就寝2時間前までには食事を済ませ、空腹状態で寝ることによって体の修復や回復が促進され、それが健康的な痩身にもつながると言われています。
美食日は存分に楽しむこと
土日の美食日を存分に楽しむことも月曜断食を成功させるポイントとしては重要です。
この日を楽しめなければ、継続が難しくなるだけではなく、期間終了後の暴飲暴食にもつながりかねません。
おすすめとしては、少しリッチなお店を予約しておき、「量より質」の観点で料理を楽しむというのも良いでしょう。今まで食べたことのないような海外の美食を堪能してみるのも面白いかもしれません(お店の開拓にもなります)。
いずれにしても、月曜断食ではきちんとメリハリをつけて、できるだけストレスをため込まないようにすることが重要です。
さいごに
近年、月曜断食が多くの人に支持されている理由はメソッドのシンプルさにあると思われますが、補助的な要因としては「SNSの普及」も関係しているかもしれません。
たとえば、Twitterではハッシュタグ「#月曜断食」で検索すると実に多くの実践者を見つけることができ、そういった人たちの間では、知識の交換やお悩み相談、進捗報告などが盛んに行われています。
こういったSNSでのやり取りが月曜断食をより楽しくさせ、継続を容易にさせているのかもしれません。
皆さんも月曜断食を行う際には、SNSも上手に活用しながら楽しくゲーム感覚で行ってみてはいかがでしょうか。
▼おすすめ動画
参考文献
月曜断食メソッド「初心者でも簡単な断食「月曜断食」とは|メリットや注意点を詳しく解説!」
https://www.getsudanmethod.jp/voice/detail/id=152
書籍「「究極の健康法」でみるみる痩せる!月曜断食」関口賢 著
雑誌「日経WOMAN2020年2月号」日経BP 出版
雑誌「ゆほびか2020年8月号」マキノ出版
雑誌「クロワッサン 2020年1月25日号 №1013」マガジンハウス 出版
雑誌「ESSE 2021年2月号」扶桑社 出版