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冬の脱水症に注意!原因と予防方法について

夏に起きやすいことで知られている「脱水症」。実は、冬も起きやすいということをご存知ですか?

冬の脱水は発汗量の多い夏の脱水と違い、自覚のないまま進行するため、とても厄介です。また、冬の脱水は「お肌がカサつくだけでしょ?」などと軽く思われがちですが、実は重篤な病気に陥るリスクも高めます。冬をアクティブに過ごすためにも、冬の脱水原因をしっかりと学び、予防に努めましょう。

今回は、冬の脱水の原因と予防方法などについて解説をしていきます。

冬でも脱水症は起こる!

日本の四季は、気候が大きく変化します。その中でも、脱水症は年に2回のピークがあります。第1のピークは「夏」、第2のピークは「冬」です。

夏は発汗量が多いため、体内水分量の減少を意識しやすく、脱水症に対する危機意識が必然的に高まります。一方、冬の発汗量は夏ほど多くなく、視覚的にも確認しにくいということから、脱水症に対する危機意識は低くなり、中には「脱水症は夏に起こるもの」といった誤った認識を持っている人もいるようです。しかし実際には、冬であっても脱水症は起きるため、注意が必要です。

では、なぜ発汗量が少ない冬にも脱水症は起こるのでしょうか?
冬に脱水症が起こる原因について、見ていきましょう。

原因①:空気の乾燥

冬の乾燥した外気は、私たちの体から水分を奪います。このことは、こまめにスキンケアを行っている女性にとっては、もはや常識です。

もともと人間の体は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)[※]によって、じっとしていても「1日に約900mL(常温安静時)」の水分が失われていきますが、冬の乾燥した外気のもとでは、その喪失量は増加する傾向にあります。また、冬は締め切った室内でエアコン暖房をかけることがありますが、この状態は乾燥した外気にさらされている状態よりも10~20%湿度が低下すると言われているため、より多くの水分の喪失が懸念されます。

※. 発汗などの自覚のある水分喪失とは別に、自覚のない状態で皮膚や呼気から水分が喪失(蒸発)すること。

原因②:発汗を体感しにくい

夏に比べて発汗量が少なくなるとはいえ、まったく汗をかかないわけではありません[※]。ただし、冬にかく汗は、なかなか体感しにくいという問題があります。たとえば、冬の乾燥した空気が、汗による肌のベタつきや濡れを抑え、発汗を体感しにくくしています。また、長袖などの着用によって汗が吸収されることや、肌の露出が少なくなることによって視覚的に発汗が確認できないことなども、体感や自覚を困難にさせていると言えるでしょう。 

発汗が体感できないと「汗をかいていない」と勘違いをしやすくなり、体内水分量が減少していても放置しがちです。

※. 寒さが厳しくなると人間の基礎代謝は上がるため、特定の条件下においては、意外に冬でも汗をかきます。

原因③:飲水を控えがち

備蓄水や水道水などの常温の水は、冬になるとすべて冷水になってしまいます。もともと飲水習慣のある人であっても、この時期は「体を冷やしたくない」または「白湯をつくるのが面倒くさい」という理由から、飲水回数を減らしてしまいがちです。

また、冬は夏に比べてアクティブに動く機会が少ないため、喉の渇きが顕著に感じられず、自然と飲水回数が減少する傾向にあります。さらに、高齢者においては、夜間に冷え切ったトイレに行かなくて済むよう、あえて就寝前に飲水を控えている人もいるようです。

いずれの場合も、水分補給が十分に行われていないため、脱水症を招きやすくなります。

隠れ脱水のチェック

隠れ脱水とは、脱水症になる一歩手前の状態です[※1]。多くの場合、脱水症は本人が気付かない内に進行してしまいますが、自身の状態をしっかりと意識することで、その兆候を確認することができるとも言われています。

まずは、以下のような状態になっていないかを確認してみて下さい。

・よくよく意識してみると、喉が渇いている。
・短期間で体重が減少している。
・濃い色の尿が出ている。
・微熱(37℃前後)がある。

また、高齢者(65歳以上)の方は、次のチェックリストが役に立ちます。一つでも当てはまる項目があれば、隠れ脱水の疑いがあります。

・皮膚が乾燥し、ツヤがなくなり、カサつく。また皮膚がポロポロと落ちる。
・口内がネバつく。食べ物がパサパサに感じる。唾の減少によって、唾をゴクンと飲み込めない。
・便秘になった。または便秘が悪化した。便秘薬の使用頻度が増えた。
・皮膚の張りがなくなった。手の甲をつまみあげてから離すと、つまんだ後が3秒以上残っている。
・スネがむくむ。靴下を脱いだ後、ゴム跡が10分以上残る。

※1. 体重の1%相当の水分が失われた状態

隠れ脱水を放置すると

隠れ脱水を放置したり見逃したりすると、脱水症に陥り、次のような初期症状が表れます。

・頭痛
・集中力の低下
・日中の強い眠気
・腹部の不快感
・食欲の低下
・筋肉痛
・筋無力
・筋肉痙攣

脱水症が進行すると、めまいや立ちくらみも起きるようになり、かなり危険な状態になります。さらに、脱水症の進行によって血中水分量が減少すると、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気に陥るリスクも高まります。そうならないためにも、隠れ脱水を発見したら、すぐに対処や治療をする必要があるのです。

隠れ脱水の予防方法

隠れ脱水を予防するためには、次のような方法が有効です。

水分補給

定番の予防方法ではありますが、隠れ脱水を予防するためには水分補給は欠かせません。ただし、一気に水分を補給すると内臓に負担がかかりますので、1回の飲水をコップ一杯程度(約200mL)にとどめ、それを朝昼晩に飲み分ける形で、こまめな飲水を心がけると良いでしょう。

毎回お湯(白湯)を作るのが面倒だと思われる方は、電気ポッドである程度の量をまとめて作っておいたり、数回分のお湯を保温機能のある水筒に入れておくのも有効です。また、少しユニークな商品としては、お湯を沸かしてそのまま飲めるマグカップ型のケトルなどもありますので、そういったアイデア商品を活用するのも良いでしょう。なお、飲水をついつい忘れてしまうような人は、スマホのタイマー機能やキッチンタイマーなどを使って、飲み忘れを防止することも大切です。

高齢者の深夜の排尿問題については、たとえ夜中に尿意を催すことになったとしても、やはり就寝前の飲水は行なって下さい。トイレルームの中や、トイレルームまでの廊下に、人感センサー付のミニヒーターをおいておくと寒さによるストレスがやわらぎますので、オススメです。

乾燥対策

エアコン暖房による室内の乾燥を抑えるには、加湿器の活用が有効ですが、他にも以下のような方法で、湿度を上げることができます。

・エアコンに「エアコンハンガー」を取り付け、洗濯物を乾かす
・バスルームのドアを開放し、お風呂の残り湯から放たれる水蒸気を室内に送る
・濡れタオルを振り回す

また、常に室内の乾燥度合がチェックできるように、湿度計を購入するのもよいでしょう。ただし、市販の湿度計は「相対湿度」だけを表示したものが多いので、実際の乾燥度合いを手軽に確認することができません。湿度計を購入する際は、「絶対湿度」の表示機能がついたものがオススメです。

湿度やエアコン暖房による乾燥対策ついては、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
【暖房の乾燥対策!エアコンによる湿度低下を防ぐには】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/31188/

さいごに

冬は運動する機会が少なく、甘いものやご馳走をたくさん食べるようなイベントも多くあるため、腸内環境が乱れやすい季節と言えます。さらに、乾燥した空気が体内水分量を減少させ、便秘を起きやすくするため、腸にとっては非常にやっかいな季節です。

今回、脱水の予防方法の一つに「水分補給」を挙げましたが、飲むお水を電解水素水にすることでお通じを良好にし、腸活にも繋がります。毎日こまめに水分補給を行って、腸内環境の改善も目指しましょう。

水分補給のタイミングなどについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
【正しい水分補給のタイミングとは?おすすめの飲み物や注意点も解説】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/26714/


参考文献

日本救急医学会「医学用語解説集|不感蒸泄」

https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0515.html

いわい中央クリニック「冬の脱水」

http://www.iwaichuo.com/staff/20180127

新渡戸記念中野総合病院「栄養豆知識(第102回)|脱水症の予防と水分補給のポイント」

https://www.nakanosogo.or.jp/media/102th_eiyo.pdf

サワイ健康推進課「冬こそ注意しよう! その不調、かくれ脱水かも!」

https://kenko.sawai.co.jp/prevention/201912.html

埼玉県央広域事務組合「かくれ脱水チェックシート(教えて!「かくれ脱水」委員会)」

https://www.ken-o.or.jp/firehead/preparation/treatment/kakuredassui.pdf

まきた内科医院「脱水症(夏の熱中症と冬の脱水症状)」

https://www.makitanaikaiin.com/heatstroke.html

カジドレ「加湿器の代わりになるオススメ方法15選!簡単に代わりを作る方法!」

https://www.kajidore.com/columns/column150/

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