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炭酸水に期待される効果と飲み方のコツ

美容や健康によいドリンクとして炭酸水が注目されています。実際、炭酸水にはいくつかのメリットがあり、芸能人やモデルの中には炭酸水にこだわりを持って常飲している人もいるようです。

今回は、炭酸水に期待される効果と飲み方、注意点などについて解説をしていきます。

炭酸水とは

炭酸水とは、炭酸ガス(二酸化炭素:CO2)が溶け込んだ水のことです。

炭酸飲料品質表示基準においては、飲用に適した水に二酸化炭素を圧入したものと説明されており、コーラやサイダーなどを含む「炭酸飲料」という大きなカテゴリーに属しています。

しかし、一般的に「炭酸水」と呼ばれるものは、いわゆる炭酸ジュースとは異なり砂糖や果汁などを含みません。そのため、法的なカテゴリーの中では炭酸ジュースと同じ扱いになっていますが、実際には水に近いドリンクなのです。

原料と栄養

炭酸水は、人工のもの(人工炭酸水)と、天然のもの(天然炭酸水)に大別されますが、前者は水と炭酸ガスを使って人工的に作られます。一方、後者は自然の力によって水に炭酸ガスが含まれています。

いずれにしても、原料は「水」と「炭酸ガス」だけですので非常にシンプルです。そして、このことからも分かる通り、炭酸水にはタンパク質や脂質、ビタミンなどの栄養素は含まれていません。

ただし、原料になっている「水」の種類によっては、ミネラル類を多く含んでいるものがあります。ここで言う水の種類とは「硬水」や「軟水」のことで、これらは硬度という分類指標の高低によって分けられています[※]。硬水(または超硬水)の場合はカルシウムやマグネシウムの含有量が多く、その他のミネラル類も多く含んでいることがあります。

※. 硬度の低い水は「軟水」、高い水は「硬水」と呼ばれています。

味や飲みやすさ

味や飲みやすさは、原料として使用される水の種類、そして炭酸の強度によって異なります。 

先ほども少し触れましたが、水には「硬水・軟水」といった大きな分類があり、その分類指標として用いられる硬度の高低によって、味や飲みやすさにも違いが生まれるのです。日本人の多くは水道水が軟水ということもあり、その馴染みから、口当たりのなめらかな軟水を好む傾向にあるようです。一方の硬水は少しクセがあり、ほのかに苦く重たい口当たりがあるため、好みにもよりますが、一般的には避けられる傾向にあるようです。

この他、飲みやすさの違いを生む要素としては「炭酸の強度」も挙げられ、基本的には「強炭酸」よりも「微炭酸」の方が刺激が少なく、飲みやすいとされています。ただし、「強炭酸・微炭酸」といった表示は、1つのメーカーで作られる炭酸飲料群の中において相対的に使用される表示ですので、程度を判断する指標としては曖昧です。炭酸の強弱については、メーカーごとに飲み比べてみなければ分からないというのが、実態なのではないでしょうか。

炭酸水に期待される効果

炭酸水には、いくつかの効果(メリット)が期待されています。それらのうち、代表的なものとしては「ダイエット効果」と「消化・吸収の促進効果」が挙げられます。

それぞれについて、みていきましょう。

ダイエット効果

食前・食中の炭酸水の飲用は、ダイエット効果が期待されています。炭酸水を飲むと炭酸ガスが胃の中で気泡化し、胃はどんどん膨れていき、やがて「膨満感」を感じるようになります[※]。胃の膨満感は脳の満腹中枢を刺激して、「お腹が一杯になった」と勘違いさせるそうです。これによって、空腹感を抑えることができ、間食や暴飲暴食を予防することができると言われています。また、炭酸水を飲んだ後は物理的にも食べ物が胃に入りにくくなるため、食欲を抑えることができます。

さらに、炭酸水は「水溶性食物繊維」とくっついて、脂肪や糖質の吸収を抑制してくれる働きもあるようです。ワカメ、納豆、オクラ、山芋などには、水溶性食物繊維が豊富に含まれていますので、これらの食品を炭酸水と一緒に食べると効果的でしょう。

※. ある実験では500mLほどの炭酸水を飲むと、胃袋がパンパンに膨れ、ほとんど収縮しないことが分かったそうです。ダイエット目的で日常的に飲む場合、300mLくらいでも効果を感じられると言われています。

消化・吸収の促進効果

食前に少量(100~150mL)の炭酸水を飲むと、胃粘膜が刺激を受けて充血し、胃の血液循環が増えます。その結果、胃腸の「ぜん動運動」が促され、消化作用が促進されます。ぜん動運動とは、胃や腸などの収縮運動のことで、この運動が活発になると口から入った食べ物がスムーズに運ばれていきますが、低下すると消化に時間がかかることになります。

この他、胃のぜん動運動が活発になる理由として、以下のようなメカニズムも挙げられます。

①口から入った炭酸水が胃に到達すると、炭酸ガスが胃壁から浸透する
②胃壁から浸透した炭酸ガスは、細胞内に届けられ、やがて血管にも到達する
③するとその部分に炭酸ガスが急に増えるため、細胞は酸素が足りなくなったと勘違いをする
④酸素の供給量を増やすため、細胞は血管を拡張させ、血流をよくしようと反応する
⑤その結果、胃の血行がよくなり、ぜん動運動が活発になる

胃の血行が促進されると、胃とともに腸のぜん動運動も活発になるため、腸内での栄養吸収が促進されたり、便秘を改善する効果も期待できます。

飲み過ぎに注意

美容や健康に役立つ炭酸水ですが、飲み過ぎると体に害を与えることがあります。
どのような害があるのか見てみましょう。

下痢

炭酸水を飲むと炭酸ガスによって胃腸が刺激されるため、もともとお腹が弱い人や便秘や下痢を繰り返すタイプの人は、お腹をこわすことがあります。特にキンキンに冷やした炭酸水は、その冷たさによってお腹が冷え、下痢を引き起こしやすくなります。

また、そのような状態の炭酸水には、常温の炭酸水よりもたくさんの炭酸が溶け込んでいるため、飲んだ時に強い刺激を胃に与えます。そして、その強い刺激はぜん動運動を活発にし過ぎてしまい、下痢を引き起こすこともあるのです。

さらに、ヨーロッパ産などの硬度の高い炭酸水は、飲み過ぎていなくても、人によってお腹がゆるくなることがあります。硬度の高い炭酸水にはマグネシウムの含有量が多く、それが下剤のような作用をもたらすからです[※]。特に、日本人は水道水が軟水ということもあり、硬水慣れしていないため、初めて飲むときなどに下痢を引き起こしてしまう恐れがあります。

※. マグネシウムは体にとって有用なミネラルですが、多量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります。

胃痛・胸焼け

炭酸水を飲むと胃の働きが活発になり、それにともなって「胃酸」が分泌されます。胃酸は消化作用を促進させる効果があるため必要なものですが、過剰に分泌された場合は胃痛や胸焼けの原因となります[※]。

炭酸水をたくさん飲み過ぎたり、キンキンに冷やした炭酸水を飲んだり、強炭酸のものを多く飲んだりすると、胃に強い刺激が与えられ、胃酸が過剰に分泌される恐れがあるため、注意しなければいけません。特に、胃もたれをしている人や胃潰瘍になりやすい人などは、飲むのを控えたり、量を調節したりする必要があるでしょう。

※. 胸焼けは胃酸の逆流によって、引き起こされる場合もあります。

酸蝕症(歯を溶かす)

通常、口の中の酸性度はpH7.0の「中性」になっています。この中性の値であるpH7.0から数字が小さくなると「酸性」に傾き、大きくなると「アルカリ性」に傾くことになります。   

「歯は酸性の状態になると溶け始める」ということは、皆さんもよくご存知かと思いますが、そのボーダーライン、つまり「エナメル質の限界pH」はpH5.5だと言われています。それに対して、一般的な炭酸水はpH5.0前後です。

数値上、わずかに歯を溶かすリスクがありますが、実際には唾液の働きによって中性に戻されたり、エナメル質の再石灰化で歯が守られたりするため、そこまで影響はないと言われています。しかし、これは普通の炭酸水をたまに飲んだり、時間をあけて飲んだりする場合の話です。たとえば、飲む炭酸水が「強炭酸」であれば、酸性の度合いが強くなるため、歯を溶かすリスクは高まります。また、チビチビと時間をかけて飲み続けた場合は、唾液の中和作用が追いつかないため、やはり歯を溶かすリスクは高まってしまうのです。

一般的には「砂糖などが入っている炭酸ジュースは歯を溶かすが、炭酸水は大丈夫」といったことが言われていますが、炭酸水の種類や飲み方によっては、歯が溶けてしまうことがあるため注意しなければいけません。

炭酸酔い

あまり知られていませんが、炭酸をたくさん飲むと酔っぱらったような状態になることがあります。この状態のことを「炭酸酔い」または「炭酸酩酊(めいてい)」といいます。

炭酸酔いはしばらくすると元に戻りますが、この状態のままバイクや車を運転するのは、事故に繋がる危険性もあるため、運転前の飲み過ぎには特に注意しなければいけません。

一回に飲む量は多くても500mLまでとし、1.5Lや2.0Lのペットボトルを一気に飲んだりはしないようにしましょう。
ちなみに、一昔前にコーラの一気飲みで人気を博した芸人がいましたが、これは炭酸酔いはもちろんのこと、カフェインや糖分の過剰摂取にもなりかねませんので、冗談半分であってもマネをしてはいけません。

炭酸水の選び方

炭酸水は種類が豊富ですので、初心者の方が自分にマッチしたものを見つけるのは少し難しいかもしれません。
まずは、以下の5つのポイントをチェックすることから始めてみるとよいでしょう。

①炭酸の強さ
商品に「強炭酸」や「微炭酸」といった表示があれば、最初の内はそれを参考にして選ぶのも良いでしょう。「強い・弱い」という程度の基準はメーカーごとに異なりますが、ある程度の目安にはなるはずです。炭酸を飲み慣れていない人は、刺激の少ない微炭酸から飲み始め、体の調子を確認しながら炭酸の強度を調節するとよいでしょう。

②価格
毎日飲む場合、価格は重要な要素になります。炭酸水の多くは長期ストックにも耐えますので、セール日に大量購入をするなどして、単価を抑えるとよいでしょう。

③量
炭酸水の効果を得るには500mLもあれば十分ですので、大量購入をする場合であっても、1本あたりの容量は500mL前後がよいでしょう。また、500mLサイズだと飲み過ぎを防止することもできますし、携帯性の観点からもオススメです。

④容器のタイプ
炭酸水を食卓に置く場合などは、外見(デザイン)の良さが大切になるかもしれません。しかし、外見だけではなく「材質」にも着目をすると、なにかと便利です。例えば、缶は早く冷え、瓶は冷えが長持ちし、ペットボトルは軽くてフタができるといったメリットがあります。

⑤成分
ミネラル類が多く含まれている硬水系の炭酸水は、味や飲み口だけでいうと日本人からは避けられる傾向にあります。しかし、ミネラルが多く含まれているからこそ得られるメリットもいくつかあり、それらの効果を得るために意図的に硬水系の炭酸水を飲んでいる人もいます。

以下の記事では「硬水の効果」などについて解説をしています。
商品容器やメーカーのホームページへミネラル類の種類や含有量が載せられている場合は、ぜひ参考にしてみて下さい。
【硬水の効果とは?軟水との違いやメリット・デメリットを解説】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/30067/

飲み方のコツ

炭酸水の良い点の一つに「余計なものが入っていない」ということが挙げられます。これは、炭酸ジュースのように糖類やカフェイン、着色料などが添加されていないということです。しかし、その一方で「なんとなく味気ない」と感じられる人も多くいるようです。

基本的には何も手を加えず、そのままの状態で飲むことをオススメしますが、ときには少量の果実を加えて味の変化を楽しむのも良いかもしれません。炭酸水といえば、「レモン」との組み合わせが最もポピュラーですが、実は「緑茶」との相性も良く、飲んだ時の爽快感がアップすると言われています。作り方はシンプルで、ポットなどに茶葉を入れ、そこに炭酸水を注いで一晩おくだけです。一度試してみてはいかがでしょうか。

さいごに

上記でも説明しましたが、炭酸水にはさまざまなメリットがある一方で、飲み方を誤るとデメリットが生じます。人によっては、少ない量でも胃痛や胸焼け、腹部の膨満感(圧迫感)などを感じる場合もあるかもしれません。特に、胃腸の働きが低下している人など、何らかの胃腸症状を抱えている人は、炭酸水を飲むことで症状が悪化する恐れもあるため十分に注意をして下さい。

「炭酸水を飲んで効果を実感してみたいけれど、胃腸の調子がよくないので・・・」
こういった悩みをお持ちの方は、まずは「電解水素水」というお水を飲んで、胃腸の状態を整えてみることも良いかもしれません。電解水素水は胃腸症状の改善効果が認められたお水ですので、胃腸を整えたいとお考えの方にはピッタリです。

以下の記事では電解水素水について詳しく解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
【付加価値を持つ水とは?腸活に役立つ電解水素水について解説!】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/29468/


参考文献

日本清涼飲料検査協会「炭酸飲料品質表示基準」

http://seiryouken.jp/pdf_files/kijun_tansan_h230930.pdf

ライフログテクノロジー株式会社「無糖炭酸水のカロリーや栄養素情報」

https://www.calomeal.com/menu_list/detail/0002182

水広場「ウィロー 発泡」

https://www.mizuhiroba.jp/shop/products/detail/2777

特選街web「【炭酸水ダイエットの効果とやり方】ヘアケアや美顔まで炭酸水の活用法を大公開」

https://tokusengai.com/_ct/17241424

村井歯科医院「炭酸水は歯に悪いのか(その2)?」

https://muraishika.jp/blog_detail?actual_object_id=584

ひかり歯科クリニック摂津院「炭酸水は危険?酸蝕症にご注意を!」

https://hikari-dc-settu.net/blog/?p=117

農林水産省「炭酸飲料の日本農林規格の一部を改正する件 新旧対照表」

https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/kokujikaisei-474.pdf

書籍「健康名人の炭酸水レシピ」新生暁子 著

書籍「この一冊で「炭酸」パワーを使いきる!」前田眞治 著

書籍「「炭酸水」飲むだけダイエット」マキノ出版 出版

書籍「「美」炭酸ライフ始めよう」ベースボール・マガジン社 出版

書籍「炭酸パワーで健康になる!」前田眞治 著

書籍「やせる!きれいになる!炭酸生活」前田眞治 著