喉が痛い時におすすめの飲み物は? | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

喉が痛い時におすすめの飲み物は?

皆さんは喉が痛くなったとき、どのような対応を取られていますか?
多くの方は、耳鼻咽喉科や内科を受診されることが多いのではないでしょうか。喉の痛みは、大病や感染症の症状として現れていることもありますので、軽症であっても早期の受診は正しい判断といえるでしょう。しかし、営業時間外や定休日など、何らかの事情によって、病院や薬局が利用できない場合もあります。そのようなときのために、応急処置の方法を知っておくと便利です。

今回は、応急処置の方法の一つとして、喉にやさしい飲み物をご紹介します。また、喉が痛くなる原因や、その他の予防策・対応策も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

喉が痛くなる原因

喉が痛くなる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。代表的な喉の痛みの原因は、以下の通りです。

・乾燥による痛み
・声の出し過ぎによる痛み
・飲食物による痛み(辛いもの、熱いものなど)
・嗜好品による痛み(酒、タバコなど)
・空気の汚れによる痛み(カビ、排気ガスなど)
・逆流性食道炎による痛み(胃酸の逆流)
・気管支喘息による痛み(咳をした時の痛み)
・進行したガンによる痛み(食道ガン、喉頭ガン)
・感染症による痛み(インフルエンザ、新型コロナ、溶連菌など)

喉の痛みは、症状が軽いものから重いものまで、さまざまです。感染症にかかった時などは、時間の経過とともに症状が重くなっていくこともあります。また、その中には急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍など、場合によっては死に至る大病のケースもあり、決して軽視はできません。原因が思い当たらない喉の痛みや、激しい喉の痛み、初めて経験する喉の痛みを覚えた場合には、早期に耳鼻咽喉科か内科を受診するようにしましょう。

おすすめの飲み物

喉の痛みを抑える飲み物には、どのようなものがあるのでしょうか。
簡易的な応急処置(民間療法)として、以下の飲み物が挙げられます。

ハチミツ酢

ハチミツは殺菌作用が高く、雑菌による喉の炎症を鎮めてくれます(酢にも抗菌作用があります)。また、喉の乾燥を防ぐ効果も期待されていて、歌手の喉ケアにも用いられています[※1]。

【材料】
・ハチミツ(大さじ1)[※2] 
・酢(30mL)
・お湯(適量)

【作り方】
① カップにハチミツと酢を入れる
② お湯を加えて、かき混ぜる
③ 飲用は1日1杯程度

※1. 1歳未満の乳児には、ボツリヌス症を発症する恐れがあるので、ハチミツは与えないで下さい。
※2. 一般的なハチミツよりも、マヌカハニーの方が抗菌力は高いと言われています。

ハチミツ生姜

生姜は発汗・解熱作用に優れているため、風邪の引き初めに効果的です。体を温める効果も高く、咳や喉の痛みを抑える働きもあります。また、殺菌作用もあるので、ウイルスの撃退に役立ちます。

【材料】
・ハチミツ(15g)
・生姜(5g)
・お湯(100mL)
・スライスしたレモン(1枚)

【作り方】
① 生姜の皮をむいて薄切りにする
② 熱湯消毒した耐熱容器に①をいれ、ハチミツをかけて丸1日おく
③ カップに②のシロップを入れ、そこにお湯とレモンを入れて、かき混ぜる。

黒コショウ湯

黒コショウには、喉の痛みやイガイガ、咳を鎮める作用があると言われています。また、コショウの辛み成分「ピペリン」には、抗菌・防腐作用があり、免疫力が向上して、カゼ症状が改善するとも言われています[※]。

【材料】
・お湯(50mL程度)
・黒コショウ(1g程度:2振り)
・天然塩(1g程度:2振り)

【作り方】
① 黒コショウと天然塩を湯飲みなどに入れる
② 湯を注いで、よく混ぜる

※. 胃腸を傷めないよう、飲用は1日に3回程度までにしてください。

キンカン湯

キンカンは、のどの炎症を抑え、痛みをやわらげる効果があると言われています。ビタミンA・C・Eやカルシウム、カロチンも豊富です。皮に栄養が多くあるため、皮ごと摂るとよいでしょう。

【材料】
・キンカン(10個)
・水(500mL)
・ハチミツ(適量)

【作り方】
① キンカンをよく水洗いし、皮ごと刻む
② 鍋に①と水を入れて強火にかけ、沸騰するまで煮る
③ ②をこした後にハチミツを加え、よく混ぜる

梨と生姜のジュース

梨には、咳や痰を鎮め、解熱する作用があると言われています。また、「ソルビトール」という甘味成分は、冷涼感を生じさせ、喉の炎症を抑える効果もあると言われています。

【材料】
・生姜(1かけ)
・梨(1個)

【作り方】
① 生姜をすりおろし、ガーゼなどに包んで汁をしぼる
② 皮をむいた梨をすりおろし、生姜と同様に汁をしぼる
③ 鍋に①と②を入れ、弱火で温める

レンコンと梨のジュース

生のレンコンのしぼり汁には、気管支の炎症を鎮める効果があると言われています。咳が止まらないときや、喉が痛い時にオススメです。

【材料】
・梨(1個)
・レンコン(100g)

【作り方】
① 梨とレンコンの皮をむき、ぶつ切りにしてミキサーにかける
② なめらかになったら完成(牛乳やハチミツを入れても美味しい)

大根とハチミツのシロップ

大根には、咳を止め、痰を出しやすくする働きがあると言われています。また、大根に含まれる「ジアスターゼ」という消化酵素には消炎作用があり、喉の粘膜に作用して痛みを和らげる効果も期待されています。

【材料】
・大根(中サイズの大根1/4本)
・ハチミツ(200g)

【作り方】
① 皮をむいた大根を1cm角にカットする
② 広口ビンに①を入れ、大根が浸るくらいまでハチミツを注ぐ
③ 2~3日冷蔵庫に置いて大根の水気を抜く(ときどきビンをゆする)
④ ビンの中に水分が出てくるので、それをすくって飲む(1日2~3回、盃1杯くらいずつ)

陳皮茶(ミカンの皮茶)

「陳皮(ちんぴ)」とは漢方の一種で、乾燥させたミカンの皮のことです。ミカンの皮には咳を鎮め、痰を切る効果があると言われています[※]。

【材料】
・ミカンの皮(適量)
・お湯(適量)

【作り方】
① よく洗ったミカンの皮をザルなどに広げ、天日でカラカラになるまで乾燥させる
② フードプロセッサーで①を粉状にする
③ 粉状になった陳皮を急須に3~5gほど入れ、お湯を注いで3~5分蒸らす

※. みかんの皮に含まれる「ヘスペリジン(ビタミンP)」は、他の医薬品との飲み合わせに注意が必要です。

アロエ湯

アロエは昔から民間療法によく使用されている植物です。風邪を引いて喉が痛むときや、咳が出るときにアロエを飲むと和らぐと言われています。

【材料】
・アロエの葉(3~5cm)
・ハチミツ(適量)
・レモン汁(適量)
・お湯(200~300mL)

【作り方】
① アロエの葉をよく洗ってからすりおろし、お湯を加える
② そのままだと少し苦いので、ハチミツやレモン汁を適量加えて混ぜる

青梅のシロップ

咳が止まらない時は、青梅の汁が効くと言われています。初夏に青梅が売り出されたら、作って冷暗所に保管しておきましょう。
【材料】
・青梅(適量)
・砂糖(青梅と同量程度)

【作り方】
① 青梅を軽く水洗いして、梅と同量程度の砂糖をふりかけて漬け込む
② 2~3ヶ月で汁が上がってくるので、この汁をスプーンに1杯、1日3回ほど飲む

ニンジンジュース

ニンジンは気管支の粘膜を強め、抵抗力を高める働きがあると言われています。気管支炎になったときなどにオススメです。

【材料】
・人参(適量)

【作り方】
① すりおろしたものをガーゼで絞り、汁をとる(盃に1~2杯ほど)

葛湯(くずゆ)

葛の根の部分は「葛根(かっこん)」といい、葛根湯という漢方薬の主原料として、よく知られています。葛根の粉は、体を温める効果が高く、体内の血行を促進すると言われています。古くから民間療法に用いられ、喉が渇いて痛いときや下痢のとき、首や背中がこわばったりしたときなど、風邪の初期症状に有効とされています。

【材料】
・葛粉(小さじ1杯)[※] 
・お湯(200~300mL)

【作り方】
① 茶碗かどんぶりをあらかじめ熱湯で温めておく
② 葛粉を少量の水でとく
③ カップ1杯分のお湯を注ぎ、透明になるまでかき混ぜる
④ お好みで、砂糖やおろし生姜を入れてもよい

※. 「本葛(混じりけのない本物の葛粉)」をご使用ください。

ラズベリーとリンゴ酢のドリンク

イギリスの伝統的な飲み物で、喉の痛みを緩和すると言われています。ラズベリーには殺菌作用や収れん作用があり、喉の痛みを鎮め、喉の粘膜を感染症から守ります。リンゴ酢に含まれる酸は、微生物の繁殖を抑える作用があり、少量ずつこまめに摂ることで炎症を鎮めてくれると言われています。

【材料】
・生のラズベリー(1kg)
・リンゴ酢(600cc)
・水(適量)

【作り方】
① ラズベリーを大きめの広口ビンに入れて、浸るくらいまでリンゴ酢を注ぐ
② 冷暗所に①を二週間ほど寝かす
③ ナイロン製のザルでこし、果肉は捨て、清潔なビンに移して保存する
④ 小さじ1杯を1カップほどの水で薄めて、1日3回飲む

タイムとセージの煎じ茶

ハーブの一種であるタイムとセージには、強い殺菌作用があり、風邪や咳、発熱、喉の痛みを伴うインフルエンザなどによく効くと言われています[※]。

【材料】
・乾燥タイム(5~8g)、または生タイム(10~15g)
・乾燥セージ(5~8g)、または生セージ(10~15g)
・お湯(150~200mL)

【作り方】
① タイムとセージを大きめのティーポットに入れ、沸騰させたお湯を注ぐ
② フタをして10~15分おいて葉の成分を抽出させる
③ 喉が痛くなり始めたら、2時間おきにカップ1杯ほど飲む

※. タイムとセージは子宮の収縮を促し、流産や早産のリスクが高まるため、妊婦の方は摂らないように注意して下さい。

タマネギとハチミツのシロップ

生のタマネギには強い殺菌力があり、その辛み成分には、鼻や喉の粘膜の炎症を抑える働きがあると言われています。

【材料】
・タマネギ(中サイズ4個)
・ハチミツ(大さじ2杯)

【作り方】
① 皮をむいたタマネギを刻み、ボールに入れる
② ハチミツをかけて、フタをして室温で一晩おく
③ 出てきた汁を、症状がおさまるまで2時間おきに、小さじ1杯ずつ飲む

その他の予防策・対応策

喉が痛いときに避けるべきものは、以下の通りです。

・刺激の強い飲食物(辛すぎ、熱すぎ など)
・偏食
・睡眠不足
・喫煙、飲酒

つまり、適温(少し冷たい~少し温かい程度)で、栄養価が高く、過度に味つけがされていないものをバランスよく摂りながら、正しい生活習慣で過ごすことが大切です。

また、痛みの原因によっては、個別に予防策や対応策を取らなければいけない場合もありますので、以下のリストを参考にして、実生活において改善の余地がないかを確認してみてください。

乾燥による痛み
・エアコンによる過乾燥を防ぐ
・湿度計を使用する
・加湿器を使用する
・こまめに水分摂取を行う

声の出し過ぎによる痛み
・マイク(拡声器)やメガホンなどを使用して発声量を抑える
・正しい発声方法を学ぶ
・発声前、発生後の喉のケアを怠らない
・飲食物による痛み(辛いもの、熱いものなど)
・刺激の少ない料理でも満足するよう、舌(味覚)を慣れさせる
・粗熱をとってから食べる

嗜好品による痛み(酒、タバコなど)
・喉に痛みが現れているときは、飲酒を控える
・飲みたい場合は度数の高い酒はロックで飲まず、必ず水で割る
・度数の高い酒を飲むときは、チェイサー(和らぎ水)も一緒に飲む
・喉に痛みが現れているときは喫煙を控える
・吸いたい場合は本数を減らし、タール、ニコチンの少ないものを選ぶ

空気の汚れによる痛み(カビ、排気ガスなど)
・こまめに室内を掃除、換気する
・エアコンのフィルターを掃除する
・空気清浄機を使用する
・性能の高いマスクを使用する
・副流煙(タバコから立ち昇る煙)や、呼出煙(他人が吐き出したタバコの煙)から避ける

逆流性食道炎による痛み(胃酸の逆流)
・甘いものを避ける[※] 
・刺激の強い食べ物を避ける
・ドカ食いや過食を避ける
・脂っこい食べ物を避ける
・炭酸飲料を避ける

※. 糖質が多いと胃液は濃くなり、食道の粘膜を傷つけます。

気管支喘息による痛み(咳をした時の痛み)
・アレルギー性喘息の場合、まずはアレルゲンを特定する
・⑤の注意事項を徹底する
・冷たい空気や香水なども吸い込まないようにする
・食生活の改善(ビタミンA・C・E、オメガ3脂肪酸などを積極的に摂る)
・医師の指示に従い、適切な服薬を続ける

進行したガンによる痛み(食道ガン、喉頭ガン)
・定期健診を受ける
・日ごろから、免疫力を低下させないよう節制する
・医師の指示に従い、定期的なフォローアップを受ける

感染症による痛み
・日ごろから、免疫力を低下させないよう節制する
・なるべく人ごみを避ける
・帰宅時には、うがいと手洗い(アルコール除菌)を行う
・明らかに違和感のある痛みが現れたら、早期に耳鼻咽喉科または内科で受診する
・医師の指示に従い、適切な服薬を続ける

さいごに

喉の痛みの原因として、声の出しすぎや室内の過乾燥などの分かりやすいものに対しては、すぐに対応・改善ができると思います。しかし、ガンなどの大病や感染症の予防には、食生活をはじめとした常日頃の節制が重要です。つまり、長期的な視点で「免疫力」を上げておくことが大切なのです。

免疫力を維持・改善する方法はたくさんありますが、その中でも特に重要視されている方法の一つとして「腸内環境を整える」という方法が挙げられます。腸には体内にある全免疫細胞の6~7割が存在していて、私たちの健康を守ってくれています。腸を健やかに保ち、病気を寄せつけない強い体作りを始めていきましょう。

以下の記事では、免疫力を上げる方法について解説をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【感染症を予防するには?毎日できる対策と免疫力を上げる方法】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/28453/


参考文献

大正製薬「のど(喉)が痛くなった時の原因別対処法 - VICKS -」

https://brand.taisho.co.jp/vicks/column/

神奈川県衛生研究所「風しん」

https://www.pref.kanagawa.jp/sys/eiken/003_center/0307_shikkan/files/131025_Rubella.htm

健診会 東京メディカルクリニック「溶連菌感染症の症状と潜伏期間,大人も感染注意」

https://www.c-takinogawa.jp/outpatient/department-list/internal-medicine/news09.html

ヒロオカクリニック「喉の痛みを治す薬とは?原因や治療法など解説」

https://www.h-cl.org/column/medicine-sore-throat/

国立感染症研究所「ヘルパンギーナとは」

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html

MYメディカルクリニック「伝染性単核球症とは?症状や診断方法について解説」

https://mymc.jp/clinicblog/169631/

京都府ホームページ「ハチミツの摂取による「乳児ボツリヌス症」に注意しましょう!」

https://www.pref.kyoto.jp/shoku-anshin/seikatsu/201704hatimitu.html

Beeボーカルスクール「【現役ボイストレーナー解説】喉にいい飲み物・食べ物11選!」

https://www.bee-music.jp/vocal/column/drink-for-the-throat/

CHANOYU「陳皮茶(オレンジピールティー)の作り方!気になる副作用や入れ方について」

https://www.e-cha.co.jp/contents/chinpi_cha/

Anetis(アネティス)公式「これは大丈夫?妊娠中の食べ物2」

https://anetis.jp/food-during-pregnancy2/

オーソモレキュラー医学会「秋になると喘息に悩まされる?その原因と対策とは?」

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=TmivJ1548804069#sub-chapter-5

miSignal(マイシグナル)「食道がんの症状と原因- 初期症状・末期症状とげっぷ・喉の違和感との関係を解説」

https://misignal.jp/article/esophageal-cancer-symptoms-n-causes

書籍「からだの痛みで病気がわかる本」宮西ナオ子 著

書籍「病院の検査がわかる本」小野繁 著

書籍「おいしく食べて体に効く!クスリごはん」星雲社 出版

書籍「スーパーかぜ治療」村山哲郎 著

書籍「はちみつキレイをつくる74の魔法」清水美智子 著

書籍「クスリになる食べものハンドブック」リベラル社 出版

書籍「これは、こうするんじゃ!」白泉社 出版

書籍「ヒーリングドリンク」アン・マッキンタイア 著

書籍「逆流性食道炎の疑問・悩み 専門家がズバリ解決!」わかさ出版

雑誌「月刊ナーシング(2014年11月号)」学研プラス 出版

雑誌「壮快(2017年03月号)」ブティック社 出版

雑誌「壮快(2020年08月号)」ブティック社 出版