健康のための水の飲み方とは? 今日から始められる4つの方法
健康のために水を飲むよう心がけている方、増えていますよね。でも、その水の飲み方、本当に健康のためになっているのでしょうか?
健康のためには、ただ水を飲めばよいというわけではありません。その量やタイミング、温度など、さまざまな点に気を配る必要があります。健康のためには、どのように水を飲んだらよいか、4つのポイントをご紹介します。
目次
1日に必要な水の量は約1.2リットル!
健康のために、私たちは1日にどのくらいの水を飲んだらよいのでしょうか?
成人の体はおよそ70%を水分が占め、生きるために必要なさまざまな役割を担っています。健康のためには、この水分量を保つことが必要です。
まず、私たちが1日で失う水分量は、およそ以下のようになると言われています。
- 尿1200ml+便100ml+不感蒸泄1,000ml=2,300ml
- (不感蒸泄・・・呼吸や皮膚からの水分の蒸発)
一方で、水を飲む以外の方法で私たちが摂取する水分量の平均値は以下の通りです。
- 食事800~1,000ml+代謝水300ml=1,100~1,300ml
つまり、残りの1,000~1,200mlは水を飲むなどして補給する必要があります。さらに、運動をしているときや気温が高いときは、汗としてこれよりも多くの水分が失われます。
外気温や運動の種類などによっても異なりますが、1時間の運動で1リットルほどの汗をかくこともあるとされています。このようなときには、発汗前後の体重測定を行うなどして発汗量に応じた水を飲む必要があります。
少量ずつこまめに飲む!
健康のために1日に1,200ミリリットルほどの水が必要といっても、この水を一回に飲めばよいわけではありません。健康のための水の飲み方の基本は、少量ずつこまめに飲むことです。
喉が渇いてから一気に水を飲む方も多いかもしれませんが、この方法は正しくありません。喉の渇きを感じるとき、体はすでに脱水気味であり、体内の水分量が減少している状態です。こうなる前に、こまめに水を飲んでおく必要があります。
また、一度に大量の水を飲むことは、内臓に大きな負担がかかったり、体を冷やしてしまったりして、健康を損なう恐れもあります。さらに「水中毒」と言って、大量の水を摂取することによって低ナトリウム血症となり、嘔吐や意識障害などが起こる危険もあります。
いずれにしても、急に大量の水を飲むやり方はよくありません。健康のためには、少量の水をこまめに飲む習慣を付けることが大切です。
具体的には、一回の量をコップ一杯程度(150~200ミリリットル)として、1日に7~8回ほど飲めば1日に必要な水分量を確保できます。このようにして、健康のための正しい水分補給を継続的に行うようにしましょう。
水を飲むタイミングを決めよう!
少量ずつこまめに水を飲む習慣を付けるためには、一日のなかで水を飲むタイミングを決めるのがおすすめです。
特に体が水分不足になりやすいとき、水分補給がしやすいときを選んで、水を飲む習慣を付けておくと、日々の健康につながります。
具体的には以下のようなタイミングがあります。
- 起床時
- 朝・昼・夕食時
- 運動前後
- 入浴前後
- 就寝前
これだけでも水分補給の回数は10回近くになります。一日の生活リズムのなかに水分補給のタイミングを組み込むことによって、無理なく自然に習慣付けることができるのではないでしょうか。
決まったタイミングで水を飲めるようにするには、水を常に持ち歩くのも一つの方法です。水をペットボトルや水筒などに入れて、職場のデスクやベッド脇などに置いておくと、水分を補給しやすくなります。
水道水のほか、浄水器や整水器を通した水、ミネラルウォーターなど、お気に入りの水を見つけることで、より水分補給が楽しくなるかもしれません。
水は冷やしすぎない!
暑い夏場は、よく冷やした水をおいしく感じるものです。しかし、健康を考えたときには、冷えすぎた水を飲むのはよくありません。冷たい水は内臓の機能を低下させたり、体を冷やして血流を悪くしたりする恐れがあるからです。
健康のためには、11~15℃くらいを目安にしましょう。家庭用の冷蔵庫の室内は通常1~5℃くらいに設定されているため、冷蔵庫に入れたままにしておくと冷えすぎてしまいます。その場合は、しばらく室温に置いてから飲むようにしましょう。
寒い時期や冷房の効いた室内などでは、常温の水を飲むのもおすすめです。最後に、健康のための水の飲み方についてまとめます。
- 健康のためには、1日におよそ1200ミリリットルの水分補給が必要
- コップ一杯程度の水を何回かに分けて飲むことが健康につながる
- 起床時、食事時、入浴前後、就寝前など、1日のうちで水分補給のタイミングを決めるとよい
- 健康のためには、11~15℃くらい、または常温の水を飲むと良い
<参考文献>
「『健康のため水を飲もう』推進運動」厚生労働省
(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html)
藤田紘一郎監修『ミネラルウォーターの処方箋』日東書院本社
井上正子監修『基礎知識からわかるミネラルウォーターBOOK』新星出版社