麦茶を飲もう! 麦茶についての4つの豆知識
麦茶は、暑い夏に欠かせない飲み物の一つ。運動時の水分補給や熱中症対策にも活用されています。日常生活に欠かすことができない麦茶ですが、知っているようで知らないことも多くあります。
- そもそもどんなお茶?
- 上手な作り方は?
- 賞味期限は?
- 麦茶を作るときにおすすめの「水」とは?
麦茶をおいしく楽しむための知識をまとめました。
目次
麦茶ってどんなお茶?
麦茶とは
麦茶とは、焙煎した大麦を煎じたお茶のことを言います。麦のこうばしい香りが特徴のお茶で、冷やしたものが暑い夏の飲料として多く活用されているほか、冬場などに温かいものを飲むこともあります。
現代では粒状の麦を煮出してお茶を作ることは少なくなり、粒を粉砕してティーバッグ状にしたものを使うのが一般的です。煮出しや水出しで簡単に手作りできるので、冷蔵庫に常備している家庭も多いのではないでしょうか。また、ペットボトルや紙パックなどの容器に入れられたものが販売されており、手軽に利用できます。
特徴
麦茶の一番の特徴は、緑茶や紅茶、ウーロン茶といった一般的な茶葉のお茶に含まれる、カフェインやタンニンが含まれていないことです。そのため、妊婦さんや赤ちゃんから、高齢者まで、幅広い方に安心して飲まれています。
利尿作用や覚醒作用もないので、タイミングや量も気にせず飲むことができます。ノンカロリーで、運動時や日々の水分補給などにもぴったりです。(ただし製品によってはウーロン茶などを混ぜているものもありますので、妊婦さんや赤ちゃん、高齢者が飲む場合には確認が必要です。)
さらに麦茶は、その効能にも注目が集まっています。全国麦茶工業協同組合によれば、最近の研究で麦茶には胃粘膜保護作用や血流改善効果、抗酸化作用に期待が集まっているということです。
歴史
日本での麦茶の歴史は緑茶よりも古く、平安時代には貴族たちが、戦国時代には武将たちが好んで飲用したと言われています。江戸時代には庶民的な飲み物として町人たちにも愛されるようになり、現代の喫茶店のような「麦湯店」も誕生しました。
明治時代にも、夏の夕方には「むぎゆ」書かれた行燈が並んだほか、家庭の飲み物としても親しまれるようになり、麦茶に砂糖を入れて飲む風習なども生まれたと言われています。
なお、大麦の収穫は夏であることから、新麦を炒ってつくるお茶を楽しむ意味で麦茶が夏の飲み物となったそうです。
やがて冷蔵庫の普及やティーバッグの開発に伴い、家庭で手軽に楽しむことができる飲み物として、麦茶は日本人の暮らしの中になくてはならないものとして定着していきました。
麦茶の作り方
麦茶の魅力は、ティーバッグを使って家庭で手軽に手作りできることです。でも、その作り方はさまざまあります。さらにちょっとしたポイントに気を付けることで、味わいが大きく変わることもあります。ここでは、麦茶の一般的な作り方やそのメリットデメリット、注意点などをご紹介します。
(詳しい作り方は製品の説明書きに従ってください。)
煮出し麦茶
沸騰したお湯の中に麦茶のティーバッグを入れて煮出す方法です。煮出し専用のティーバッグの場合にはこの方法で作ります。
作り方
- やかんに水を入れて火にかけます。
- 沸騰したお湯1リットルの中にティーバッグ1個を入れます。
- 3~5分煮出した後、火を止めて5分ほどおいてからティーバッグを取り出します。
- そのままホット麦茶でどうそ。
※冷やす場合には、氷水を張った桶にやかんごと入れて粗熱を取り、容器に入れて冷蔵庫で保存します。
メリット
- 水を一度沸騰させることで殺菌効果が期待でき、赤ちゃんにも安心して与えられる
- 煮出すことで短い時間でお茶が出やすい
デメリット
- アイスで飲む場合、冷やすのに時間がかかる
- 煮出しすぎると苦みなどが出ることがある
お湯出し麦茶
ティーバッグを煮出さず、お湯を使って作る方法もあります。
作り方
- やかんなどに水を入れて火にかけます。
- 沸騰したら火を止め、ティーバッグを入れます。(お湯1リットルに1個が目安)
- 1時間くらいしたらティーバッグを取り出し、別の容器に移し替えます。
- 冷めたら冷蔵庫に入れて保管します。
メリット
- 一度沸騰させたお湯を使うので、衛生面で安心
- 電気ポットなどを使って手軽につくることもできる
デメリット
- 煮出しに比べてお茶の風味がやや薄い
- 冷ますのに時間がかかる
水出し麦茶
煮出し麦茶は面倒…という方におすすめなのが、水出し麦茶です。水の中にティーバッグを入れるだけで、簡単に麦茶が作れてしまいます。水出し麦茶をつくる場合には、必ず「水出し用」と書かれたティーバッグを使いましょう。煮出し専用のティーバッグを使ってしまうとうまくお茶が出ないことがあります。
作り方
- 水1リットルにティーバッグを1個入れます。
- 冷蔵庫に入れ、1~2時間くらいしたらティーパックを取り出します。
※麦茶の味や香りをしっかりと出したい場合には、ティーバッグに50~100ミリリットルのお湯をかけてから冷水を加え、冷蔵庫で冷やすという方法がおすすめです。
メリット
- 沸騰や冷却、容器に移すといった手間が省ける
デメリット
- 煮出しに比べてお茶の風味や色が出にくい
- 水道水をそのまま使う場合には、カルキ臭の影響などが心配される
麦茶の賞味期限
家庭で麦茶を作る際に気を付けなければならないのが、賞味期限です。
穀類である麦で作った茶は、そのでんぷん質によって、茶葉のお茶に比べて傷みやすいと言われているのです。ペットボトル入りで売られているものはある程度保存が効くようになっていますが、家庭で手作りしたものは、保存期間に注意が必要です。
まず、手作りした麦茶は冷蔵庫で保存するのが基本です。おいしく飲むためには、煮出し・水出し共に1~2日で飲み終わることをおすすめします。
また雑菌の繁殖を防ぐために、次のようなことに気を付けましょう。
- 麦茶を入れる容器はその都度洗浄し、清潔にしておく
- 容器に傷が付いていると菌が繁殖しやすいため、プラスチック製のものよりもガラス製のもののほうがおすすめ
- 容器に直接口を付けない
- 煮出し・水出しどちらの場合にもティーバッグは入れっぱなしにせず、一定時間で取り出す
- 煮出し麦茶を冷やす場合には、常温放置せず、氷水を張ったボールなどにやかんを入れて急速冷却してから容器に移して冷蔵庫に入れるとよい
麦茶を作るときの水
ところで、麦茶を作るときの「水」にはこだわっているでしょうか。
麦茶の大部分を占めるのは、水。どんな水を使うかということによって、麦茶を飲んだときの味わいや香りも大きく変わることがあるのです。特に水出しで麦茶を作る場合には、水の清浄性や味わいにこだわりたいという方も多いかもしれませんね。
そこで、おすすめの水をいくつかご紹介します。
浄水器を通した水
日本の水道水の水質は非常に優れていることで知られていますが、消毒のために用いられている塩素が「カルキ臭」と呼ばれる独特のにおいを生じさせることがあります。そのため、浄水器を通して塩素や雑菌を除去した水を使うのがおすすめです。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターには塩素が含まれていないので、そのまま飲むほか、飲み物や料理を作る際にも活用する人が増えてきています。ミネラルウォーターで麦茶を作る場合には、硬水ではなく軟水を使ったほうがよいと言われています。水を購入する手間や冷却する手間が省けるウォーターサーバーにも人気が集まっています。
電解水素水
アルカリ性の電解水素水は抽出力に優れていると言われており、水出しでも麦茶の味や香りがよく出ます。水道水から塩素や不純物を取り除いた清浄な水なので、そのまま安心してご利用いただけます。
まとめ
それでは最後に、麦茶についてまとめておきます。
- 麦茶は焙煎した大麦から作られるお茶で、カフェインが含まれないのが特徴
- 麦茶の作り方には煮出し・お湯出し・水出しなどがあり、それぞれメリットやデメリットがある
- 麦茶は傷みやすいため、清潔な容器に入れて冷蔵保存し、1~2日程度で飲み切るとよい
- 麦茶を作るときの水としては、浄水器を通した水、軟水のミネラルウォーター、電解水素水などがおすすめ
<参考文献>
全国麦茶工業協同組合
(http://www.mugicya.or.jp/index.html)
アルカリイオン整水器協議会
(https://www.3aaa.gr.jp/index.html)