頭皮が乾燥する原因とは?フケやかゆみの予防法を解説
フケがたくさんでる、頭皮がかゆい、頭皮にツッパリ感がある──。
こういった症状をお持ちの方は、頭皮が乾燥しているのかもしれません。
肩や背中にたくさん積もったフケは、あなたの印象を不潔なものにしてしまう可能性があります。
また、かゆみに耐えられず掻いてしまうと、炎症を引き起こして更に強いかゆみに襲われることもあります。
今回はこういった症状でお悩みの方のために、頭皮が乾燥する原因や症状、そして乾燥を予防する方法について解説していきます。
目次
頭皮が乾燥する原因とは?
頭皮が乾燥する主な原因は、次のものが挙げられます。
・肌質に合わないシャンプー
・シャンプー洗髪の回数
・更年期障害
・体質(アトピー、乾燥肌)
・生活習慣の乱れ
それぞれについて、見ていきましょう。
原因①:肌質に合わないシャンプー
肌質に合っていないシャンプーを使うと、頭皮が乾燥する場合があります。
特に、配合成分によって洗いあがりに強い爽快感を持たせているものは、洗浄力も強力なものが多く、汚れと一緒に必要な皮脂までも取り除いてしまいます。
こういったシャンプーを毎回使用していると、頭皮のバリア機能が弱まって乾燥を引き起こしやすくなります。
洗いあがりに、かゆみや違和感(ピリピリ感など)を感じる場合には、そのシャンプーが乾燥を引き起こしているのかもしれません。
原因②:シャンプー洗髪の回数
たとえ肌質に合っているシャンプーを使用していたとしても、洗髪回数が多いと必要な皮脂や角質が取り除かれて、乾燥を引き起こしてしまうことがあります。
また、皮脂を極端に取り除くと、今度は逆に、肌の保護作用によって皮脂の分泌が過剰になり、「インナードライ[※]」になってしまうこともあります。
シャンプーを使った洗髪を朝と夜の2回行っている人は、もしかするとその「洗髪回数の多さ」が乾燥を引き起こしているのかもしれません。
※. インナードライの肌は、皮脂のベタつきにより肌の表面が潤っているように見えますが、水分によって潤っているわけではなく内側は乾燥しています。「隠れ乾燥肌」と呼ばれることもあります。
原因③:更年期障害
更年期を迎えた40~50代の女性は、エストロゲンなどの女性ホルモンの減少によって、心身に様々な障害(変化)が表れることがあります。
たとえば、汗をかきやすくなったり、気持ちが沈みやすくなったり、上半身がほてりやすくなったりするなどの障害が挙げられますが、そういった障害と並んで、頭皮の乾燥が引き起こされることもあるのです。
更年期に該当する人は、「更年期障害」によって乾燥が引き起こされている可能性も考慮する必要があるでしょう。
原因④:体質(アトピー・乾燥肌)
アトピー体質の人は「ダニ、ホコリ、発汗」などの物理的な刺激や、精神的なストレスによって、肌のかゆみや炎症が悪化すると考えられています。頭皮も例外ではなく、かゆみや炎症を抑えようと掻いてしまうことによって肌のバリア機能が弱くなり、水分が蒸散して乾燥状態を引き起こすことになるのです。
また、顔や体の肌が乾燥しやすい、いわゆる乾燥肌体質の人は、頭皮も同様に乾燥しやすい傾向にあります。
原因⑤:生活習慣の乱れ
食事バランスや睡眠リズムの崩れ、運動不足、喫煙や飲酒の習慣などなど──。
こういった生活習慣の乱れは、頭皮環境を悪化させるため、結果的に頭皮の乾燥を引き起こす原因となります。
健やかな頭皮環境は、食事による十分な栄養と睡眠による成長ホルモンの分泌、そして運動による良好な血流などによって保たれますので、これらを意識した生活を送るようにしましょう。
また、仕事上や人間関係などから受ける強いストレスも、頭皮環境を悪化させる原因になりますので、ストレスマネジメントを行うことも大切です。
頭皮の乾燥によって起きる症状
頭皮の乾燥によって起きる主な症状は、次のものが挙げられます。
・フケがでやすくなる
・かゆみを感じやすくなる
それぞれについて、見ていきましょう。
フケがでやすくなる
通常の場合、フケは頭皮が健康状態であったとしても(乾燥していなくても)、ある程度でるのが普通です。
そのようなフケは、頭皮の「古い角質」がターンオーバーによって自然に剥がれ落ちたもので、量はそれほど多くなく、暗色系の服などについたとしても、あまり目立つことはありません。
また、洗髪時にほとんど洗い落とされるため、日常的にはあまり目にすることはないのです。
しかし、頭皮が乾燥するとフケの量は増え、服などについた場合にはかなり目立ちます。
その理由は「古い角質」に加えて、「未熟な角質」までもが一緒に剥がれ落ちているからです。
「未熟な角質」は頭皮が潤っている状態では、基本的には剥がれ落ちることはありません。
しかし、必要な皮脂が不足して乾燥状態になると、頭皮は刺激を受けやすくなり、そのダメージによって「未熟な角質」も剥がれ落ちてしまうのです。
かゆみを感じやすくなる
頭皮が乾燥すると、かゆみが生じることもあります。
その理由は、頭皮表面の水分バランスが崩れて、肌(頭皮)の「バリア機能」が低下するためです。
バリア機能が低下すると、外部からの刺激が頭皮の神経細胞へ直接的に届くことになるため、ちょっとした刺激であっても頭皮は敏感に反応してしまいます。
そして、その刺激(かゆみ)に反応して頭皮を掻いてしまうと、その掻くことによって生じる刺激がさらに肌のバリア機能を低下させ、かゆみを増幅させることになるのです。
このような悪循環を繰り返していると、頭皮が徐々に炎症し、赤くなってしまうこともあります。
また、髪をバサバサとかきあげながら頭皮を掻くと、フケが広範囲に飛散するため、周りの人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
頭皮の乾燥を予防する方法
頭皮の乾燥予防を行うにあたっては、まず「頭皮は肌の一部」だということを再認識する必要があるでしょう。
つまり、顔や体の肌と同じように、頭皮も適切なアイテムを使って、やさしくこまめにケアしてあげる必要があるというわけです。
では、具体的な予防方法をそれぞれ見ていきましょう。
肌質にあったシャンプー
シャンプーの主な目的は、髪や頭皮の汚れを洗い落とすことにあります。
洗浄力の強いシャンプーを使用すれば、その目的を達成することができますが、そういったシャンプーは頭皮への刺激も強いため、人によっては頭皮が乾燥してしまう原因になります。
頭皮の乾燥を防ぐためには、できるだけ低刺激なシャンプーを選ぶ必要がありますが、低刺激なシャンプーは洗浄力も弱いことが多く、汚れをしっかりと洗い落とせずに、頭皮環境を悪化させてしまう可能性もあります。
つまり、「強い洗浄力」と「低刺激」は二律背反ですので、基本的には両方を取ることはできないのです。
ですので、シャンプー選びをする際は「どれくらいの洗浄力があれば十分なのか」、または「どれくらいの刺激は許容できるのか」といった視点をもちながら行うことが大切です。
そして、その判断をするときのポイントは、シャンプーの主要成分をチェックすることにあります。
ここでいう主要成分とは、シャンプーボトルに記載されている「配合成分」のうち、「水」の次に表示されている成分のことです。
成分の種類には様々ありますが、主には下記のようなものが挙げられます(「洗浄力&刺激」が強い順[※])。
・ラウリル硫酸Na
・オレフィンスルホン酸Na
・ラウレス硫酸Na
・石けん
・カリ石けん
・スルホコハク酸ラウレス2Na
・ココイルメチルタウリンNa
・ラウレス-4カルボン酸Na
・ラウロイルメチルアラニンNa
・ココイルグルタミン酸Na
・コカミドプロピルペタイン
・ココアンホ酢酸Na
まずは、上記リストの真ん中あたりに位置している「ココイルメチルタウリンNa」や「ラウレス-4カルボン酸Na」などの成分が含まれているシャンプーを使用してみて下さい。
使用後、頭皮の乾燥が気になるようなら、もう1ランク下の「ラウロイルメチルアラニンNa」に変えてみるなどして、段階的に自分の肌質にあったシャンプーを見つけるようにすると良いでしょう。
※. リストの順番はあくまでも目安です。シャンプーの洗浄力や刺激の強さは、他の配合成分によっても変わります。
頭皮ケアローション
頭皮ケアローションは、フェイスケアでいうところの「化粧水」にあたり、頭皮を乾燥から守ってうるおいを与える役割をもっています。頭皮ケアローションにもさまざまな種類があり、配合されている成分によって保湿力や使用感が異なります。
頭皮が乾燥しやすく、一年中乾燥しているような人には、下記の成分を多く含む頭皮ケアローションがオススメです。
・グリセリン
・ベタイン
・DPG(ジプロピレングリコール)
・ミネラルオイル
・トリエチルヘキサノイン
ただし、上記の成分は高い保湿力を持っていますが、それだけに若干のベトつきを感じてしまう人もいるようです。
ある程度の保湿力がありつつも、サッパリ感のある頭皮ケアローションが欲しいという人には、下記の成分を含む頭皮ケアローションが良いでしょう。
・BG(ブチレングリコール)
・プロパンジオール
頭皮ケアローションの中には、頭皮を健やかに保つ有効成分が配合された「医薬部外品」のものもあります。
・グリチルリチン酸ジカリウム
・酢酸DL-α-トコフェロール
また、ラベンダー油やユーカリ油といった「精油系の成分」を多く含んでいる頭皮ケアローションもあります。
これらのローションは、爽やかな香りで気持ちをリラックスさせたり、頭皮の嫌な臭いをカバーしてくれる効果があるため、香りを重視する人にはオススメです。
ただし、敏感肌の人が使用すると、肌に強い刺激を与えてしまうこともありますので、最初のうちは少しずつ様子を見ながら使用した方が良いかもしれません。
こまめな水分補給
あまり知られていませんが、実は乾燥肌の予防には「水分補給」も有効です。
シャンプーやローションなどの使用を「外側からのケア」とした場合、水分補給は「内側からのケア」と言うことができます。
体の外側と内側、両方からケアすることで、乾燥予防効果はさらに高まるでしょう。
※下記の記事では、乾燥肌にも有効な「水分補給」について解説をしています。
ぜひ参考にしてみて下さい。
【乾燥肌には水分補給!乾燥を防ぐ上手な水分補給の仕方とは】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/28407/
さいごに
頭皮が乾燥してフケがたくさんでると、相手に不潔な印象を与えてしまいます。
しかも厄介なことに、肩や背中に落ちたフケはなかなか自分では気づきません。
暗色系のスーツを着ている場合はとても目立ちますので、それによってビジネス上の信用を失ってしまうこともあるかもしれません。
また、こういった失敗は「冠婚葬祭」や「会食」などでも起こり得ます。
つまり、頭皮の乾燥は「大切な時」に「大きな失敗」をしてしまう危険性があるわけです。
このような失敗をしないためにも、日ごろから頭皮のケアをしっかりと行い、健やかな頭皮環境を保つことが大切です。
参考文献
ELLEgirl「インナードライのおすすめ化粧水30選。プチプラ・デパコス・韓国コスメから人気アイテムを厳選」
https://www.ellegirl.jp/beauty/makeup-skincare/a41957009/lotion-for-inner-dry-skin/
久光製薬株式会社「更年期障害の原因|エンジョイ エイジング【更年期障害の情報サイト】」
https://www.hisamitsu.co.jp/hrt/about/causes.html
TRULY「【質問】抜け毛や、頭皮の痒みがあります。老化だけでなく、更年期と関係があるのでしょうか? 対策方法はありますか?」
https://truly-japan.com/articles/38
アデランス「~睡眠不足は薄毛・抜け毛の原因に~育毛視点で考える6つの睡眠習慣を専門家が解説」
https://www.aderans.co.jp/newsrelease/detail/20210825160408.html
男性ホルモン研究所「頭皮が乾燥するのはなぜ?」
https://www.aska-pharma.co.jp/media_men/column/dry-scalp/
動画「ラウリル&ラウレスの違いって?アミノ酸系って良いの?【洗浄成分】の洗浄力・特徴・選び方を徹底解説!」
https://www.youtube.com/watch?v=kbHwMhoffjE&t=8s
mybest「【2023年1月】頭皮ケアローションのおすすめ人気ランキング23選【徹底比較】」
https://my-best.com/3848