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Medical Gas Research(メディカルガスリサーチ)

水素溶存電解水によるDahl食塩感受性ラットの加齢に伴う心腎連関傷害の緩解

分子状水素は急性炎症及び酸化ストレスによる臓器傷害に抑制効果があると報告されている。Dahl食塩感受性ラットは自然経過でも、加齢による高血圧と腎傷害が惹起される。本研究は分子状水素含有水の長期飲用が加齢関連の傷害への効果を検討した。 DahlSSラット(4週齢)をろ過水群(FW)30匹、水の電気分解によって作成される492.5 ppbの高濃度の水素分子を含む水素含有水群(EW)30匹と水素脱気した電解水群(DW)30匹と三群に分け、48週まで飼育した。各群では16週目、24週目と48週目で組織検討を行った。ろ過水群では進行的な血圧上昇、アルブミン尿の亢進と心筋リモデリングが期間中に認められた。組織的には加齢に伴う変化である腎臓の糸球体硬化、間質線維化と心筋細胞径の拡大、心筋組織線維化が48週目に認められた。これらの組織変化は炎症の惹起と酸化ストレスの亢進に関わると考えられる。しかし群間の血圧変化が顕著ではないにも関らず、EW群がFWとDW群に比べ、炎症と酸化ストレスレベルが有意に低くかつ組織変化を有意に抑制していた。

結論:分子状水素含有電解水の長期の自由飲水は少なくとも部分的に亢進した炎症反応と酸化ストレスレベルを抑えることにより、DahlSSラットの加齢による腎傷害及び心筋リモデリングを抑制した。

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