第1回 水を科学する
82年、私は健康関連機器の会社で役員をしていましたが、「一度しかない人生。何か自分が生きた証しを残したい」との思いで日本トリムを創業しました。
当時の日本は、現在と違い水が売れる「時代」ではなく、水を商うビジネスなど誰も考えつかず、周囲から随分と反対されました。ただ、私はかつて東南アジアや中国を旅行した際、日本よりも生活水準の遅れている国々で水が当たり前のように売られているのを見て、驚くと共にやがて日本もこのような時代が来るとの確信めいたものがあり、事業をスタートしました。
地球上の生命は、水が存在したからこそ生まれ、その存続も、進化も、水があったからこそなされてきました。また、人間の身体の約70%は水ですので、健康には極めて重要なものです。それ故、身体に良い水の追求は、企業として社会的に大変意義があることだと考えております。
水に機能がある ──
そのことに世界で初めて着目したのが我々です。それは見たり飲んだりしただけではわかりません。故に、事業として存続していくには科学的な裏付けが絶対に必要だと考え、九州大学や台湾大学、メリーランド州立大学等と産学共同研究を行ってきました。今では世界の水研究の最先端を走っていると自負しています。
「水」は21世紀の大きなテーマの一つです。水を科学し、その新たな価値を創造することで、次代に向けて社会貢献していくと共に、世界のオンリーワン企業を構築していきたいと思います。
1944年高知県生まれ。
東海大学文学部卒後、健康関連機器製造販売会社を経て82年、電解還元水整水器メーカー「日本トリム」創業。
03年2月東証2部、04年3月東証1部、22年4月東証プライム上場。
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