第4回 期待される人であれ
春爛漫の季節を迎え、学生、社会人として新生活を始められた皆様、おめでとうございます。
私が社会人になった時、まず思ったのは「期待される人になろう」という事でした。人は、必ず誰かから期待されているはずです。一番身近なところでは、ご両親でしょうし、やがては夫、妻、子供でしょう。社会においては、会社の上司などと、いろいろな顔が浮かぶと思います。
5の期待に応えれば、次は10の期待を得、それに応えれば、さらにより大きな期待を受ける。その繰り返しで、人は成長していけるものです。
これは、企業も同じです。起業したころは、会社には人・物・金のどれもなく、当然信用もありませんでした。しかし、私が、ひいては会社が周囲の期待に応え続けたことで信用を得ることができ、会社が成長してこられたのだと考えています。
私は経営者として、社員全員の期待も背負っています。創業当初、私が一番悩み苦しんだのは人の採用です。その人の人生を自分が背負いきれるのか、信用も何もない会社を選んでくれた期待に応えられるのか―。
これまでのさまざまな苦境を乗り切ってこられたのは、社会、社員、家族に対する責任感と共に、その期待に応えたいという強い思いで必死にやれたからだと思います。
人は、期待されるから頑張れるし、成長することができる。その結果として社会にも貢献していける。
「期待される人であれ」
人生の新たなステージを迎えられた方々に、この言葉を贈ります。
1944年高知県生まれ。
東海大学文学部卒後、健康関連機器製造販売会社を経て82年、電解還元水整水器メーカー「日本トリム」創業。
03年2月東証2部、04年3月東証1部、22年4月東証プライム上場。
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